醜
「のどにつまらないように」の注意書きを飲み込む
あの魚は
あの鳥は
のどにつめて苦しむことはあるのだろうか
遠くに見えた窓の向こうにいる猫は
そんなことがあるのだろうか
こんな変なものを食べるのはわたしだから
魚のように
鳥のように
咀嚼が怪しく
猫のように唸りながら
飲み込む
美味しいのだ
危険を伴うものは
みな
美味しいのだ
どのような種類の危険でも
ものともせず
みな
美味しいのだ
こんなに美味しいのを
あの魚も
あの鳥も
その猫も
知らないに決まってる
こんな変なものを食べる優越と
食べられないものへの蔑みと
美味しいのだ
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