2021.1.29
土曜日の朝みたいなきみは、
雨上がりの朝の土の匂いみたいで
春一番の暖かい風みたい
柔らかい白いタオルの洗濯物が風に揺れる輪郭でもあり
物音ひとつしない浴室で響く雫の音
がざがさ、ばりばりと音を立てるたくさんの落ち葉にも似ていて
雨に濡れた椿の蕾の初々しい色
果てを知らない海から押し寄せる青い波の造形
記憶に残らない日々の中で唯一光っている
あれ、ああ、それが愛なのか
それはまだ生きているのだろうか、生きている、生きている筈だ
きみが生きている限り、ね
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