人見知りの保育士。
4月。
新年度の保育園。
新入園児さんがたくさん入園してきます。
基本的に新入園児さんは、事前に面談を行います。
「人見知り」
「場所見知り」
面談中、わりとよく出てくる言葉です。
やはり不安も大きいと思いますし、心配事もたくさんあると思います。
少しでも不安を解消できるよう、保育士側はしっかりとミーティングを行い、情報共有します。
あらゆるパターンを想定して、シフトを調整し、さまざまな準備をして、新年度を迎えます。
それでも、やはり新年度は、涙・涙の大合唱…となることが多いです。
はじめての場所
はじめての人
当たり前ですよね。
全てが「はじめて」なんですから。
***
そんなわたしも「はじめて」が苦手です。
そして。なかなかの人見知りです。
でも大人なので、笑
人見知りなんかしないし、全然大丈夫ですよ
みたいな顔で、新入園児さんの受け入れをします。
でも。
子どもは大人の心がみえる。
子どもは大人の想いを敏感に感じとることができる。
と、いわれますが…
まさにその通り!といわんばかりに、
わたしが対応しようとすると、
泣く…大号泣
後ずさりする
目を合わさない
等々
…全力で拒否されてしまいます。
きっと、わたしの人見知りで閉ざされた心が、子どもたちに見透かされているんだろうな…と思います。
「人見知りの子ども」
と
「人見知りの大人」
目にみえない攻防。
警戒心と警戒心のたたかいです。
そんな状況ですので、
はじめましての子どもを泣かせてしまう…ということを周りの先生方が理解してくださっていて、様子をみて対応を変わるというのが、だいたいいつもの流れです。
***
少し時間をおくと、落ち着きはじめた子どもたちが「さて、そろそろあの人見知りのせんせーとあそんであげようかしら」という感じで、わたしに近づいてきてくれて、遊び始めてくれます。
いつもわりと、急な展開なことが多いので不思議な感じです。
でも、やはり受け入れてもらえると嬉しいです。
ありがとう。
受け入れてくれて。
そんな想いでいっぱいになります。
結局。
どんなに「人見知りではないよ」という雰囲気で子ども達に接しても、子どもたちには心の奥がみえているんですよね。
そして。
子どもの方が、柔軟性があって、いろいろなことを察知して理解する能力が高いのかなと思っています。
***
実は。
新人保育士の頃は、
このパターンに、少々落ち込み気味でした。
いや。
けっこう落ち込んでいました。
ume先生が来ると泣く
(…だから来ないで。)
なんて言われたりして。
今でこそ、自分の中でこの状況をうまく受け入れることができていますが、新人時代は言われるたびにどんどん気持ちが落ちていく…そんな感じでした。
やっぱりわたしは、保育士に向いてないんだ…
すると。
いつも優しく声をかけてくださり、さまざまな面でとてもお世話になっている先輩保育士さんがこう言ってくださいました。
人見知りさんの気持ちを分かってあげられる
保育士さんになれるね。
そうか。
わたしは、人見知りさんの気持ちを分かってあげられるんだ。
人見知りさんの想いを一番分かってあげられる保育士になろう。
目標が一つできました。
そして。
先輩保育士さんの言葉から大きな気付きを得ました。
マイナス的な言葉だった「人見知り」が、プラスの言葉に変化しました。
言葉は、捉え方や伝え方によって、マイナスにもプラスにもなることを学びました。
そこから。
子どもたちに言葉をかけるとき意識するようになりました。
***
新人保育士をいつもあたたかく見守ってくださり、いつもどんなときも丁寧に優しく声をかけて対応してくださった先輩保育士さんには、感謝の想いしかありません。
保育士としての土台をつくってくださった人。
人見知りのわたしを保育士として育ててくれた人。
感謝の気持ちでいっぱいです。
人見知りは、
人よりもアンテナを張っているからこそのこと。
慎重にさまざまなことをみることができるからこそ。
それだけたくさんアンテナを張って周りをみることができる人は、気を遣える人ということなんだよ。