子どもに本音を伝えてみた
保育園からの定番の散歩コースに、木のアルファベットブロックを使った看板のあるお店がある。
木のアルファベットブロックは100均でもよく見かけるようなこんなもの。
ちょうどこれが、子どもの触りたい高さに何個もくっついている看板がある。
触りたくなる子どもの気持ちがよく分かる。
でも、保育士としてはあまり触ってほしくない。
理由その1
列が乱れる
1人が触ると他の子も触りたくなる。
繋いでいた手を離すことになったり、列の並びが変わったりするかもしれない。
他の歩行者や自転車の迷惑になるし、園児が接触したら怪我に繋がる。
「他の子も触りたくなるから触らないで」
うーん、ちょっと違う。
触りたい子どもの気持ちに寄り添ってない気がする。
理由その2
怪我をする恐れがある
屋外に置かれているので木が毛羽だってきていて、トゲが刺さるかもしれない。
「怪我をするかもしれないから触らないで」
ちなみに、怪我のことは「イタイイタイ」と繰り返し言葉で表現することがある。
例 「それ触るとイタイイタイになるよ」
繰り返し言葉についてはこちら。
でも、トゲが見えているわけではないし、トゲが刺さって痛い思いをしたことがない子どもには伝わりにくい。
庭の塀のアルミサッシ、駐車場のチェーンなども、同じ理由で触らないように言っている。
アルミサッシは裏側にバリが出ていて手が切れるかもしれないし、チェーンは指を挟むかもしれない。
怪我のおそれがあるのは事実だけど、”ケガになるから”ばっかりじゃない?(もちろんケガはさせたくないけどさ)
なんか、違う伝え方はないのかな??
理由その3
アルファベットのうちの何個かが、取れそうになっている。
・・・なんで嫌?
自問自答する。
そのお店があまりやっていなくて、取れたときにどうしたらいいのか分からないから。
「もし取れちゃった時にどうしたらいいか分からないんだ。お店の人にごめんなさいしたくてもお店やってないし、困っちゃうな」
仮に体が当たったなどで取れてしまったらお店の人にちゃんと謝りたいし、何か相手のものを壊したら謝るものだということも子どもに伝えたい。
だけど、散歩で通る時にはお店は開いてない。
お店の人もいない。
どうしたらいいか困っちゃうよ。
そんな気持ちを素直に伝えることにした。
子どもの気持ち(触りたい)にも寄り添うけれど、私の気持ち(取れたら困る)にも子どもが寄り添ってくれるようになった。
子どもとの心の距離がまた縮まったような気がする。
おしまい