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#35 子どもの心が揺れるとき

「保育所保育指針(厚生労働省)」のなかで子どもの育ちにおいて重要な要素のひとつになっているのが「時間※」です。

特に不安定な感情が表出したときに、安易に気持ちの切り替えを促さず、まずは十分に時間をかけ、受容的に受け止め、子どもなりに取り組んでいることを認める。時には一緒に行動しながら励ます。こういった状況をつくることが保育所の役割であり、保育士の専門性とされています。

葛藤などで心が揺れているとき、信頼する大人にくっつきながら、信頼する大人と共に自分の内側に触れて立ち直る経験を乳幼児期に重ねる。

これによって、自己を発揮しながら現実の状況と折り合いをつける感度が磨かれていきます。

自己肯定感を高め、自分の感情をコントロールすることへの気づきが生まれるために必要な「時間」と「繰り返し」を保障すること。

これが私たち保育士の役割です。

※ここでの時間は、1日のなかでだけでなく、月や年単位の長さも含みます

参照元:保育所保育指針|厚生労働省

最近書いたプチコラムです。

文章を書くときは、

手書きでのメモ → 何を書くか書かないかの選定 → ざくっと書いてみる → 推敲する

が基本の流れになっています。(もちろんこの通りではないことも多々ありますが……)

今回のプチコラムを書く前のメモの一部

異業種の友人と話しているときに、保育士のイメージに「子どもをあやすのが上手い」「泣いていてもすぐに泣き止ませられる”手法”を持っている」などがあることに落胆し実力不足を感じた20代の頃。

見えにくいし、伝わりにくいのが専門性の奥深さでもあると思いますが、率直に悔しかったですね。

でも、あの頃はパフォーマンスや安易に子どもの気持ちを切り替えさせる手法が専門性ではないんだよということが言葉にできませんでした。

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724字

私にとっての「保育」という存在にも向き合っていきたい。子どもにとっての「保育」も、保護者や社会にとっての「保育」も考えていきたい。その営み…

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