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#63 「わからなさ」にとどまれるゆたかさ

「これってどういうこと?」

子どもが疑問に思ったときに、図鑑をみたり、ネットで調べたり、いまは情報が簡単に手に入る時代となりました。

聞かれた大人もすぐに調べて、パッと答えることができます。

便利ですし、子どもの知識はどんどん増えていきます。

良い面もたくさんあるのですが、一方で失われているものもあります。


それは、「わからないまま」でいられるゆたかさです。


実は、「わからないことをわからないままでいられる」ことは、子どもの育ちにとって大切な要素になります。

「どうして雨がふるの?」
「どうして月はついてくるの?」

と聞かれたときに、

「どうしてだろうね」と答える。

案外これが重要なんです。

子どもが不思議さに出会ったとき、疑問に思ったときに、すぐに正解をもらうのではなく、想像する「間」を大切にしてもらえる。

「どうしてだろうね」と、”わからない”状態をそのまま受け取ってもらい、”わからない”を分かち合い、”わからない”を一緒に味わう。

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私にとっての「保育」という存在にも向き合っていきたい。子どもにとっての「保育」も、保護者や社会にとっての「保育」も考えていきたい。その営み…

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