【2024年10月】保育NEWS7選・まとめ&解説
保育に関する重要ニュースをまとめました。
そんな方のために、保育に関するニュースをまとめました。これを見ておけば、最新の保育ニュースは一通りチェックすることができます。内容は保育関係者向けですが、子育ては保育園と一緒におこなっていきます。
子育て中の方や学校関係者の方なども学びがあると思いますよ。ぜひ、ご覧ください!
園長コマツ
とある私立認可保育所の園長です。 子どもや保護者、職員みんなが活き活きと暮らせる保育園へ向けて悩みながら改革中。 自分の取り組みや学びをNoteを通して発信します。 プライベートでは二児の父。 好物はハンバーグ。
幼児教育在り方検討会、最終報告案を了承(文科省)
文部科学省の有識者検討会により、「幼児教育在り方検討会」の最終報告案が出されました。これは今後の幼児教育の方向性を決める会議ですので、幼児教育に関わる人はチェックしておきたいですね。
最終案をざっくりとまとめると、以下のようになります。
これらの事を事細かく説明できませんが、大人が子どもに教えるのではなく、環境を通して子どもが主体的に学ぶことが特に強調されているのがわかります。
保育業界ではずっと言われ続けており、環境を通して保育をおこなう園もおおくなっています。現在の子育て家庭や、これから子育てが始まる家庭などにわかりやすく伝わるといいんですけれどね。
詳細を知りたい方はコチラからご覧ください。
このnoteでも、いつか解説記事を書きたいと思います!
40代保育士が園児に平手打ち、鼻から出血 遊戯の指導中「指示がうまく伝わらず、かっとなった」 鹿屋市の認定こども園
保育士による園児への暴行事件が起きてしまいました。にわかには信じがたい内容ですね…。保育所保育指針にはこのような記載があります。
「指示が通らなかったから平手打ちした」というのは、児童の人権に配慮できているとは到底言えません。
先ほどの幼児教育の在り方検討会の記事についても、触れられていましたが、今後の幼児教育では「大人が教える(指示を出す)のではなく、子どもが主体的に動けるように大人が環境を整える」ことが重視されています。そうした保育をおこなうためには、職員一人一人の倫理観、人間性並びに保育所職員としての職務及び責任の理解と自覚が必要になるのでしょう。
そうした理解を促すためには、園長のマネジメントが大事ですね。
MAMORIO、保育士が園児の位置を把握できる「ココニル」
興味深いサービスの記事があったので、ご紹介します。園児の所在地をアプリで把握できるサービスです。点呼機能を備えているようで、素早く園児の人数把握ができるようになるそうです。
散歩先の公園で子どもを置き去りにしたり、所在がわからなくなるという事件は比較的頻繁に報道されています。散歩中の保育士の緊張感も高まっています。そのような中で、安全性の向上に繋がる可能性がありますね。
このアプリに頼りきるのではなく、あくまで目視で人数把握はするべきでしょうが、保険的な役割や心理的負担軽減には繋がるかもしれません。
中川李枝子さん死去、89歳 児童文学作家、「ぐりとぐら」
児童文学作家の中川李枝子さんが亡くなるニュースが入りました。有名な「ぐりとぐら」シリーズの作者の方ですね。保育園でも「ぐりとぐら」シリーズは子ども達に大人気ですので、本当に残念です。
園長コマツは『ぐりとぐらの1年間』のフレーズがとても好きでした。
大人は知識を得るために本を読みますし、そのような気持ちで子どもにも絵本をすすめてしまいがちです。ただ、本来こどもにとって絵本とは「おもしろくて たのしくて わくわくする はらはらする」もの。かしこくなるのはあくまでオマケです。学びのための絵本ではなく、心を豊かにするために絵本を用意してあげたいな…と学びました。
せなけいこさん死去、92歳 絵本作家、「ねないこだれだ」
中川さんに続き、「ねないこだれだ」などの作品で有名な絵本作家のせなけいこさんも亡くなりました。せなけいこさんの絵本は「おばけの天ぷら」「いやだいやだ」「くいしんぼううさぎ」など素敵な世界観で保育園でも大人気でした。
数々の素晴らしい作品を生み出してくれてありがとうございます。
お二人のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
保育士「長時間保育の子は問題行動多い」が物議…キーワードは“親の罪悪感”“保育士の質”? 専門家と考える解決策
これは元の記事を読み、一度考えて頂きたいニュースですね。長時間保育について、保育士アカウントからの投稿が話題になりました。ざっくりとまとめると以下のような内容です。
これに対して、子育て世帯や保育士アカウントなどで多くの意見が出されました。
ここには書ききれませんが、本当に多くの意見がでました。
記事内にもありましたが、長時間保育について子どもの発達に影響があるのか?という研究をおこなったデータもあります。その研究では、長時間保育が子どもの発達に影響を及ぼさないという結論がなされました。
保育所保育指針解説では、長時間保育について、以下のように記されています。
長時間保育そのものが問題…というよりは、保育が長時間になるようなのであれば、園でゆっくりと休んだり、生活リズムが崩れないように家庭と連携していくことが大切になります。どちらが良い悪い、というわけではなく、それぞれが子どもに配慮して、負担を減らしていけるように取り組んでいくことが大事なのでしょう。
ただ、海外では週の保育時間に上限を定めている国もありますし、日本の長時間労働は見直されるべきだとも思います。こういう投稿が話題になり、「子どもの最善の利益」についての議論になるのは良いことかもしれませんね。
不適切保育を「内部告発」したら保育園に「脅されて」退職…通報者が守られない構図は民間でも役所でも
虐待等と疑われる事案(不適切な保育)を告発された職員が、園側から刑事告発や損害賠償請求を検討していることを女性を含めた出席者全員の前で発言され、退職を余儀なくされたとのことです。
記事の中では、当女性職員が、園の中でベテラン保育士が、園児の手を強く引っ張ったり室内に園児を1人で置き去りにしたりしている姿を見たそうです。その旨を園長に相談したものの、園長よりベテラン保育士へ指導がされなかった為、市に相談し、市より園に指導が入ったようです。
その後、内部告発を受けて女性幹部が「こんなこと(内部告発)をして許されない」と他の職員を煽り、他の職員からも怒鳴られたり、無視されたり…と女性職員への職場内での居場所がなくなり、退職を余儀なくされた、とのことです。
本来ならばあってはならない話ですが…こういったケースは保育業界で、よくありそうですね。
なお、こども家庭庁の「保育所等における虐待等の防止及び発生時の対応等に関するガイドライン(不適切な保育を防ぐガイドライン)」では、虐待等と疑われる事案が発生した場合の保育園側の対応について、以下のように記載されています。
事実を確認した上で、職員への指導をするべきだったのですね。
また、今回のように不適切な保育を通告したことで、職場内に不和が生まれないよう、以下の二点を日常的におこなうことが推奨されています。
園内研修や日々の振り返りの中で、自分たちの子どもへの対応を振り返ることで、お互いに指摘しやすい関係性を築き、未然に予防していくことが理想なのですね。
ただ、そのためには職員内の関係性の質や、園内研修の充実が不可欠になります。その部分をいかにマネジメントできるかが、重要になってきますね。
そのために必要な記事をいくつか書いているので、ご紹介します。
今回のような事は水面下で多く発生していると思います。
また、今回の報道を受け、子どもが虐待されている現場を目の当たりにしても、職場内での不和を恐れて、通告することをやめてしまう保育士もいるでしょう。
しかし、保育所はこどもの最善の利益を第一に考慮し、こども一人一人にとって心身ともに健やかに育つために最もふさわしい生活の場であるはずです。本来であれば、通告をした人が不利益になってしまうことはあってはなりません。園長などの経営者層が毅然と対応すべき事です。
不適切な保育を防ぐためのガイドラインをしっかり守り、このような事態が発生しないことを切に願います。
保育所等における虐待等の防止及び発生時の対応等に関するガイドライン
「不適切な保育」の調査結果をもとに作成された最新のガイドラインです。
今月は7件のニュースを取り上げました。少しでもお役に立てれば幸いです!
コチラもオススメです!
園内研修のススメ
保育園、幼稚園、こども園向けの記事ですが、組織開発やチームビルディングはどの業種においても役立つ知識だと思います。進め方はもちろん、配布用資料や研修時の台本データもダウンロードできるようになっているので、すぐに活用できます。
知っているようで、なかなか知らない……子どもについての話をわかりやすく解説しています。
「子どもは自分自身で育つ力がある」
これまで保育士を経験し、たくさんの書籍を読み、学んだことです。
「子どもを育てよう!」と意気込んでしまうと、上手くいかなかったり、疲れてしまうことがあります。そのような時に「子どもは自分自身で育つ力がある」ということが信じられれば、気持ちが軽くなるかもしれません。
保育士の視点から、こどもの育つ力について、解説しています。
仕事でつまづかないコツ
仕事をするうちに…様々な悩みや問題に直面します。そんなとき、ちょっとしたコツを知っていればトラブルを回避できるかもしれません。現役の管理職である、園長コマツが仕事をする上で役立つ「コツ」を発信します。
保育【制度、ガイドライン、ニュース】まとめ
🌈目の前の子どもが健やかに育つこと
🌈これからを生きる子ども達が希望を持って生きる社会を作ること
これは私たち大人の役割だと思います。そのためには、国の動向や社会のニュースを知る事が大切だと思います。それらをわかりやすく解説しています。
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