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講演会日記 その2 「講演会『飛び道具と人類』のまとめ」
「飛び道具と人類 」なる講演会が先日、西蒲区の西川地区公民館であった。県立歴史博物館の出前講座である。以前読んだユヴァル・ノア・ハラリ著「サピエンス全史」に、ボクはとても感銘を受けたこともあって、さっそく拝聴してきた。
まず驚いたのは、ホモ・サピエンスは一度絶滅しかけたということだ。われわれ祖先は氷河期のあいだに危機的に人口が減少し、絶滅危惧種となったのだ。
ホモ・サピエンスはアフリカ大陸のほんの一角で少人数となってから爆発的に増えたという歴史を経たので、他の動物よりも遺伝子が均一なのだという。人種を問わずである。確かに犬や猫なんか、種が違うと姿かたちから何からぜんぜん違う。それに比べると人間はだいたい同じだな。
それから、もしもよ、その氷河期にわれわれ祖先が絶滅してたら、地球の歴史はまるっきり違ったものになってただろうな。ま、地球にとってホモ・サピエンスが生き残ったことが良かったのか悪かったのかは……なんとも言えんけどね……。
つぎに驚いたのは、初期の人類は現代のチンパンジーよりも温和だったという。もともとはとても弱い生き物。猿人(アウストラロピテクス)の時代は火も武器も操れなかったため、しょっちゅう肉食動物に食べられていたという。
おおおお、人類がまだ猿人のときはトラやライオン(の祖先)のエサだったんだな。反撃もできずに簡単に食われてたのだよ。ショックやなぁ〜。そのため集団で生活し、同じ仲間どうしは争わなかったという。シマウマやインパラと同じだよ。
では、われわれにとって、とてもショッキングな画像をご覧あれ……
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オォォ〜ゥ!ノォォォォーーーッ!!!
こ、これはちょっと涙なくして見れない画像だな。
ううぅ……(涙)
さて気を取り直して、最後に驚いたのは、ホモ・サピエンスとネアンデルタール人は争わなかったというのだ。ボクはてっきりホモ・サピエンスがネアンデルタール人をつぎつぎと虐殺していって地上の支配者となったと思っていた。
ところがそうではなくて、ホモ・サピエンスがネアンデルタール人を吸収していったという。ネアンデルタール人は体が大きくて強いがゆえに、狩りはだいたい肉弾戦となったそうだ。ヤリを持って獲物に「突き刺す」やり方が主だったため、反撃されて骨折することも多かったらしい。
また暑さに弱く運動量も少ないため、アフリカ大陸からヨーロッパ大陸へ移動したまではいいがそこまで。せいぜいモンゴルまでが限界だったようだ。
いっぽう、ホモ・サピエンスは体が弱いがゆえに工夫をして武器や道具を使いこなした。ヤリを持って突き刺すのではなく「投げる」というやり方で狩りをしたそうだ。
そして体の細さが運動にも適していて、移動距離もネアンデルタール人と比べるとずいぶんと長かったらしい。
その差が長い年月で大きな差となり、ホモ・サピエンスは世界中に行動範囲を広げ、最後はネアンデルタール人を吸収していったというのだ。その証拠に、われわれの遺伝子にはネアンデルタール人の遺伝子が1〜2%混ざっているそうだ。
ほかにも驚いたことはたくさんある。学校を出てからこれまで、ほとんど勉強してこなかったおかげで、知らないことや驚くことが盛りだくさんだわ。人類学……こりゃおもしろいぞぉ〜。
ホモ・サピエンスは氷河期に絶滅しかけている → 遺伝子が均一
人類の定義
「直立二足歩行」← 走るのに向いていない
「モノを投げる」
「火を操る」
初期人類はチンパンジーより温和
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アウストラロピテクス → 身長140cmくらい
自分を守る武器、鋭い爪や牙を持たないため、肉食動物にしょっちゅう食べられる
集団で生活、同じ仲間どうしは争わない
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「投げる」→ 他の動物にはできない
「長く走る」→ 汗をかくことによって長く走れる → 他の動物では馬くらいしかいない
死肉あさり → ハゲワシなどを追い払うために棒や石を投げる
肉を食べるようになってから、爆発的な進化を遂げる
肉は消化が良い → 腸が短くなる → スリムになる、長く走る能力が高まる → 狩りを始める
石を打ってたらたまたま鋭利な歯のように割れた
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ネアンデルタール人 → 体が強い → 狩りは肉弾戦 → 骨折が多い
ヤリを突き刺す
たくさんのエネルギーが必要 → お腹がすぐに減る
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ホモ・サピエンス → 体が弱い → 武器や道具を工夫する
ヤリを投げる
投槍器(とうそうき)を使う
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ネアンデルタール人は寒い環境に適した → ヨーロッパの環境に適応しすぎたがゆえに、行動範囲がヨーロッパにとどまる
ネアンデルタール人の集団が小さくなっていく
ホモ・サピエンスの集団は大きくなっていく
ネアンデルタール人とホモ・サピエンスの闘争の形跡はない → 最終的には統合(ホモ・サピエンスが吸収)
ホモ・サピエンスの遺伝子にネアンデルタール人の遺伝子が1〜2%ある
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狩りの道具の使い方
縄文時代では戦争はなかったが暴力があった
弥生時代になると人を殺すための武器が使われる
暴力を解決するための戦い → 集団的な闘争
狩りから戦いの道具へ
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動物絶滅の最大の原因は人間
バイソン → ネイティブアメリカンの人たちの大事な食料 → ヨーロッパ人がハンティングを楽しむ → 倫理性の欠如
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リョコウバト → かつて地上にもっとも多く生息した鳥
ハンティングで絶滅