
ちゃんと見送る
人はちゃんとお見送りできると
心の整理ができるのかもしれない。
今回の息子の帰省でそう思った。
3年前、訳あって、半ば家出状態で
東京へ巣立った息子。
その時私は、さよならも、いってらっしゃいも
見送ることすらできなかった。
仕事から帰ると息子がそこにいた形跡だけが
まだ残っていて、呆然と淋しさだけが残ったのを
覚えている。
それから3年、感染症の蔓延や、諸事情で
会う機会を伸ばして、やっと会えた先週の帰省。
今回はちゃんと空港まで見送れた。
いってらっしゃい、体に気をつけてねって
ちゃんと目を見て笑顔で手を振れた。
やっと心の中のもやもやが晴れた気がした。
その晩、私は39度の熱を出した。
検査をしても流行り病でもなんでもなかった。
きっと3年分の膿が出たのだろう。
何だかすっきりした。
気持ちも体も。
大切な人をちゃんと見送ることって
大事なんだと実感した。
近い人ほど
また会えるからと思ってしまうけど
また会えるなんて保証はどこにもない。
今 この瞬間を
大切な時だと捉えて生きていきたい。