どうする?父親の施設入所21 転倒必至
老健に入所中、父は何度もベッドから転落しました。最初の入所契約時に、「この施設では、入所者の身体拘束はしない。だから転倒やベッドから転落することも、骨折の恐れもある」と説明されました。身体拘束はされない方がいいに決まっています。だからその時は、「そうなんですね。わかりました」と了解しました。父の老健生活については、下記で掲載中です。https://note.com/hoho1064/n/nbb3b9d052fe6
父の足元がおぼつかなくなってから、夜中にひとりでトイレに行こうと起き上がり、転倒することが続きました。本人は、自力では危険なことを忘れているので、コールをせず何度でも自分で行こうとして転倒してしまうのです。夜間は介護用ショーツを履いていましたが、自力でトイレに行きたい気持ちは失われていません。
床に敷くセンサーはありましたが、父の部屋はステーションから遠いので、たぶん間に合わないのでしょう。転倒のたびに施設から連絡が入りました。「お父さん、ベッドから自力で降りようとしてまた転倒してしまいました」
暗闇の中でひとり転倒している父の姿を思うと、切なくなります。と同時に、足に力が入らず、だらんと重い父(70Kg)を引き上げるスタッフの方も、夜中にどれだけ奮闘されたことかと思います。身体拘束しないということは、介護する人、介護される人、相互に痛みを伴うことですね。
プライドが高く、不本意な施設に入った時は、声を荒げて脱走した父です。就寝中に身体拘束されていたら、どれだけ怒り狂ったことかと思います。父の場合は拘束がなくて本当に良かった。その代償に、骨折には至らずとも、何度もの転倒で足腰はさらに弱っていきました。
足腰が弱って歩けなくなることも、転倒してしまうことも、老化に伴って起きる自然なことだと思えるのですが、手首をベッドの手すりに縛られるのは、とても自然とは言えない。自分なら、どう感じるだろう?
父の施設入所当初は、ぼんやりとしか理解していなかった「身体拘束をしない」とは、人の尊厳にかかわる非常に重い約束なのだと思いました。
父の施設での生活。つづきは以下で。