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歌舞伎観てきました! 20 『二人椀久』右近&壱太郎

2025年1月。歌舞伎座にて。
尾上右近さんと中村壱太郎さん共演の歌舞伎舞踊『二人椀久』。年始のNHK中継で見て期待大でした。椀久(右近さん)は花道から登場。わたしの3階席1列目から、花道で演じられた部分は見えませんでした。

大阪の豪商・椀久は、身代をつぶすほど遊女松山太夫の元に通いつめ、親族に座敷牢に入れられた挙句、狂ってしまったという。背景は中央に巨大な松。赤い月が浮かんでいる。

椀久が一人で、松山太夫のことを思いながらさまよい、まどろんでいると、松山太夫(壱太郎)がセリからひっそりと登場。ここで背景が一面の桜にかわる。二人で廓で過ごした日々を思い出しながらの連れ舞は、息もぴったり。

一段と舞台が明るくなったら、「待ってました!」とばかり大きな拍手が起こった。三味線の曲調も華やかに、二人は我を忘れて踊る。踊る悦びに溢れていて、二人の幸福感が劇場中に伝播する。最後は巻物を手に二人で追いつ追われつ(新体操のリボンのようだった)の激しい踊り。

二人の踊りがあまりに多幸感にいっぱいだったので、桜が物悲しい赤い月に変わり、松山太夫が舞台から消えても、寂寥感より幸福感が残る。

若い二人の、とにかく踊りのスピードが際立ちます。幕が下りたら大きな大きな拍手。昨年までは浅草歌舞伎で出ていらした2人の、今、この時にしか出せない渾身の舞台でした。

個人的には、
あぁもっとしっかり長唄の歌詞を予習しておけば良かったと早くも後悔。

巻物(ラブレター)を手に踊るシーンの長唄
遊び嬉しき馴染へ通ふ 恋に焦がれて 
ちゃちゃと ちゃちゃと ちゃっとゆこやれ 
可愛がったり がられて見たり 
無理な口舌も遊びの品よく 
彼方へ云ひぬけ此方へ云ひぬけ。

「恋にこがれて、ちゃちゃとちゃちゃと」が耳に残りますね~。

「二人椀久」
玉三郎さんと勘九郎さん、
仁左衛門さんと孝太郎さんの動画があるようなので、
これも見てみたいと思いました。
仁左衛門さん玉三郎さんのは見当たらないなぁ…。


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