どうする?負動産の実家21 使わない畑
使わなくなった実家の畑はどうする?限界集落で一人暮らしの父。
2016年秋に脳梗塞で入院したあとの、実家の畑のこと
2014年夏。
遠く離れた実家に住む父の物忘れが進んでいることに気づきました。遠距離介護がはじまり、2016年晩秋に父が脳梗塞で入院して、実家は空き家になりました。
実家の母屋の脇や背後に100㎡ほどの畑があります。祖母が元気だった頃は、家族が食べる季節の野菜はすべて賄えるぐらい、一家に十分な広さでした。
父が発症する前の畑には、父の思いつきで植えられたニンジンや大根、トウモロコシやキャベツが、世話をされることもなく雑草にまみれて育っていました。父の作った野菜はいつも、やせ細って濃い味がしました。
時々、近隣や親戚の人が、作物を届けてくれていました。おかげでジャガイモや玉ねぎはあまり買ったことがありません。ビニール袋に入った野菜がゴロンっと、裏口や台所に置かれているので、実は誰からの野菜か分からずじまい?ということもよくありました。
これも、田舎あるあるですね。
父が入院したあと、世話をしない畑の雑草は勢いを増し、父が気まぐれに植えたウドは、2mの背丈の大木に育っていました。庭の雑草は2,3ヶ月に一度、わたしたちが除草剤を撒いて枯れさせていたけれど、畑に除草剤を撒くのはためらわれ、途方に暮れていました。
2017年、帰省の挨拶がてらに立ち寄ったら、近隣のおじさんが、「草刈りしとくよー」と言ってくれました。
なんとありがたい!
お言葉に甘え、草刈りをお任せしました。が、草刈りだけではなんか申し訳ない。「うちの畑、使えるなら使ってくだいね」と言うと、「そう?じゃあぜひ」ということで、使ってくださることになりました。
次の帰省の時、いやはや見違えました!
実家の畑は整然とした畝ができ、黒々とした土に元気な苗が育っていました。畑も、一朝一夕ではうまくいかない、スキルと手間が大事なんですねー。鹿やサルの被害が出るということで、獣害対策の柵も作ってあって、実に本格的!
わたしが帰省のたびに、おじさんは収穫した野菜を持たせてくれました。意図したことではなかったけれど、生き生きとした畑を背に、実家は空き家だけど、空き家じゃないふうに見えました。