[場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)・緘動(かんどう)・発達障害・不安障害・不登校などの生きづらさ]への理解 第32話「それぞれの卒業」
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長女は4歳の時、幼稚園入園をきっかけに場面緘黙症・緘動(※1)を発症しました。
二女は8歳の時分離不安障害(※2)と診断されました。
我が家の三人の娘はHSPの特徴を持ち合わせています。
学校に行かず、家庭を中心に学び成長中。
※1:家庭などでは話すことができるのに、社会不安のために、ある特定の場面、状況では話すことができなくなる疾患。強い不安により体が思うように動かせなくなる「緘動(かんどう)」という症状が出る場合もある。
※2:分離不安障害とは愛着のある人物や場所から離れることに対し、過剰な不安と苦痛を感じる精神医学的障害のひとつ。
症状のでかたや困難さはそれぞれかと思いますが、娘の場合を伝えていきます。
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『それぞれの卒業』
小学1年生の終わり、学校に行くことができなくなった長女。
みんなの前で言葉を話すことや体を動かすことができない"場面緘黙症・緘動"の症状は娘にとって大きな悲しみであり困難でした。
本当はできることも、みんなの前では誰かの手取り足取りのサポートがなければじっとそこに佇むことしかできない自分に自信を無くした日々。
「みんなと同じようになりたい。』
そう思う毎日の中で出会ったお菓子作り。
学校へ通うことのない娘に、これまで出会ってきた先生方はいつも味方でいてくださいました。
14歳の夏、小さな小さな菓子工房をオープンする際には、校長先生自ら教育委員会へも働きかけくださり、担任の先生と共に娘の活動を応援してくださいました。
昨日の卒業証書授与式には代理で出かけましたが、先生方に素敵な笑顔で迎えていただき感謝でいっぱいです。
娘は成長した今でも、自分らしく、自由に言葉を話したり動いたりできる場面は限られていますが、小さな工房にいる娘は自分らしいオンリーワンのお菓子を作ることができます。
自分にできない10のことを悲しむより、自分にできるたったひとつのことに誇りを持ち、大事に大事に育てていってほしいと願っています。
ご卒業される皆様、おめでとうございます🌸
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例は、娘のケースです。
すべての場面緘黙症・緘動の症状にあてはまるわけではありませんが、知ってもらうことはとても大切だと改めて感じています。
(注)私たち家族は長女が診断されて以来、下の二人の娘も含め、療育、相談、医療の機関に定期的にカウンセリングに出向き、登校できなくても、在籍する学校の先生と連携を取っていただいています。