[場面緘黙症・緘動また発達障害・不安障害・不登校などの生き辛さ]への理解 第24話「ドキドキの音はどんな音?」ー見えかた、聞こえ方の苦手ー
(ご理解いただけたら、周りの方に伝えたり、この投稿をシェアしていただけるとうれしいです。)
長女は4歳の時、幼稚園入園をきっかけに場面緘黙症・緘動(※)を発症しました。
我が家の3人の娘たちは園や学校に行かず(行けず)家庭を中心に過ごしています。
※:家庭などでは話すことができるのに、社会不安のために、ある特定の場面、状況では話すことができなくなる疾患。強い不安により体が思うように
動かせなくなる「緘動(かんどう)」という症状が出る場合もある。
症状や困難さはそれぞれかと思いますが、我が家の場合を伝えていきます。
感覚の過敏性があり、脅迫観念の強い不安を抱きやすい娘たちがいる我が家にとり、三者三様に感じる苦手や心配事がそれぞれにほどよく緩和されるお出掛けしやすい場所をいくつか確保しておくことはとても大事です。
公園ならここ。
スーパーならあそこ。
外食は…、お泊まりなら…。
目的ごとに、場所や過ごす人は限定されながらも、あそこなら、あの人となら"大丈夫だろう"と分かる居場所があると助かります。
しかし、コロナにより、"大丈夫"の基準は大きく変化しました。
変化、というより、さらに厳しく条件が追加されたと言う方が正しいでしょうか。
大丈夫"と呼べる基準は、社会的、一般的にはある程度その状況ごとに説明できそうですが、個人レベルではきっと大きな差がありそうです。
私は娘たちを育てるまで、例えば見え方の差は視力の違い、聞こえ方の差は聴力の違いだけだと思っていました。
しかし、共に過ごすうち、検査結果では見えない生き辛さがあることを知りました。
問題ない視力でも、蛍光灯では眩しすぎるなど光の種類、明朝体は文字が認識しづらいなど文字の形、また背景の色、間隔などによって本人にとって苦痛や苦手をともなうことがあります。
聴力と話を理解する能力が備わっていても、他の人の声や音が同時になっていると混乱する、安全だとわかっていてもドンと胸に響くような太鼓の音をとても怖く感じる、音量は平気でも徐々に大きくなる音声が苦手などがあります。
苦手や不安は誰しもが持っていると思いますが、知らなければ、まさかそんなことで困っているとは気づかないことがきっとたくさんあります。
また、そんなところでモタモタするんじゃないと、責められたり叱られることもあるでしょう。
娘が小さい頃、シャワーをとても嫌がったり、異常にくすぐったがり、なかなか洗えずイライラしたことがありました。
ところが、感覚過敏の人には、シャワーが肌に当たる感覚が痛いと感じる場合もあると知ってから、シャワーの時は洗面器にためてからかけるようにしたことがありました。
敏感すぎること。
それは、困り事になる場合が多いですが、とても繊細で感受性が高くイマジネーションや表現が豊かになるとも感じます。
6歳の三女が、ドキドキするときの様子をこんな風に教えてくれたことがあります。
「ドキドキがふたつのちがうペアみたいな音がする」
これから、ドキドキするチャンスがあったら、どんな風に聞こえるか、感じるか、心を向けてみませんか♡
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(注)私たち家族は長女が診断されて以来、下の二人の娘も含め、療育、相談、医療の機関に定期的にカウンセリングに出向き、登校できなくても、在籍する学校の先生と連携を取っていただいています。