[場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)・緘動(かんどう)・発達障害・不安障害・不登校などの生きづらさ]への理解②
長女は4歳の時、幼稚園入園をきっかけに場面緘黙症・緘動(※)を発症しました。※:家庭などでは話すことができるのに、社会不安のために、ある特定の場面、状況では話すことができなくなる疾患。強い不安により体が思うように動かせなくなる「緘動(かんどう)」という症状が出る場合もある。
症状のでかたや困難さはそれぞれかと思いますが、娘の最も状態がひどかったときのことを伝えていきます。
(ご理解いただけましたら、シェアしていただけるとうれしいです)
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「完全介護状態」と言われた長女の幼稚園時代。
先生やお友だちが娘の動きを促してくれていました。
具体的に "促す"とは、「声かけ」ではなく、手を引いたりして、動くきっかけを体に与えてもらうことでした。
しかし、促されて動けるのはひとつのアクションまで。
促されて「立つ」、促されて「座る」、促されて「手にスプーンを持ち」、促されて「すくい」、促されて「口に運び」、促されて「スプーンを置く」などです。
歩くときも、促されて「一歩を出す」ことができますが、そこで手が離れれば次の一歩のアクションが出せません。
園庭のど真ん中であっても、促してくれる手が離れればそこにとどまり次に促されるまで動けないのです。
娘のそのような事情を経験で理解してくれた、たくさんのお友だちが常に力を貸してくれました
たたずみ、動けない娘を見つけるとお友達が手を引いて、教室の娘の場所に連れて行き座らせてくれました。
「緘動(かんどう)」とはそのような状態です。
娘はうつむいていましたが、教室まで促されると、顔を天井に向けたまま何時間でも、次に促されるまでそのまま動けなくなる方もいらっしゃいます。
うつむく娘も、天井を向くその方も、おそらく自分自身の視界を周囲から隠しているのだと思います。
もしも身近に場面緘黙症・緘動の症状が強く出ている方がいたら、その方にとって安心できる場所まで促してください。
例えばトイレの個室まで連れて行ってあげれば自分で用を足せるかもしれませんが、そのまま離れれば自力ではトイレから戻れないことがあります。
その方がいるべき場所へ戻ることを確認してください。
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例は、娘のケースです。
すべての場面緘黙症・緘動の症状にあてはまるわけではありませんが、知ってもらうことはとても大切だと改めて感じています。