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『社是』とはなにか?を考えたら、人生の主人公になれた話
「社是には、なんか立派なこと書いてあるけど、結局、お金は稼がないといけないよなぁ…」
「社是」
しゃ‐ぜ【社是】会社や結社の経営上の方針・主張。また、それを表す言葉。
バイト、就職活動、入社後…様々ところで聞くことになる言葉である。
会社など組織における根幹の考え(=理念)である。
しかしながら、会社は給料の支払いなどお金が必要になる。
『…理念を実現するにしても、会社はお金を稼いでいるよね?じゃあ会社はお金を稼ぎたいの?』
理念と稼ぐことは、矛盾しているように思える。
しかし、そうではない気がすると感覚的に分かっていても、訳を自分の言葉で説明できない。私は一般的な企業で働き始めて、もうまもなく10年は経つが、このことはずっと気になっていた。
なので、社是と稼ぐことについて、自分なりに解釈を試みた。
そしたら意外なことに、人生の主人公になれたのだ。
もし、
働く意味を、自分なりに見いだしたい
会社、ひいては組織そのものを理解したい
と考えている人は、参考になるかもしれない。
私はただの会社員で、主体的に組織の運用をしたことがあまりない。これはあくまで個人的な解釈だ。だから言葉の使い方やそもそもの理解は間違っているかもしれない。
気になることがあったら、コソッとコメントで教えてほしい。
結論
さっそく結論からいうと、
『会社の理念は誰かの価値観に由来し、その延長である』
『お金を生み出す収益モデルと、理念は別物といえる』
である。
そもそも理念とは何なのか、その仮説
お金の話しは一旦おいて置く。まずは、なぜ会社の理念ができたかを考えてみる。
例として、実際の社是を調べた。
ユニクロ
服を変え、常識を変え、世界を変えていく
セブン&アイ・ホールディングス
私たちは、お客様に信頼される、誠実な企業でありたい。
私たちは、取引先、株主、地域社会に信頼される、誠実な企業でありたい。
私たちは、社員に信頼される、誠実な企業でありたい。
内容は様々であるが、
改めて『こうしたい、こうならいいのに、こうなったらいいのに』という価値観を明確にしたものであることがわかる。
ここで少し立ち止まる。
会社には社長がいて、専務がいて、役員がいて、マネージャーがいて、現場がいて…と複数人で構成されていることが多いと思う(もちろん、一人で経営している場合もある)
私も社員でチームとして仕事をしているので、つい忘れてしまっていたが、創業者は“個人”という点だ。
会社はもともとこの世に”なんか”存在していて、”なんか”みんな働いている。
私の会社に対する認識は正直、そんな程度だった。
でも、よく考えたら会社にしても組織にしても元をたどれば必ず”誰か”が”何かの思いがあって”作ったものなのだ。
ということは、会社の理念はもともと個人に由来する価値観であるといえないか?
会社は手段のひとつ、会社である必要もないかもしれない
想像してみよう。
仮に自分が、生きていく上でなにか不満があったとする。それを実現しようとする。それは、どうやったらスッキリできるだろうか。
はじめは個人で動ければよいかもしれない。けれども継続したいし、影響を広げていきたい。
その場合は、どうしたらいいだろう?
多分、組織が必要になるのだ。個人の時間やスキルは限られているのだから。
とすると、どんな組織が適切かを検討するだろう。
もしかしたら、家族や友達とのグループでもいいかもしれないし、非営利団体でもいいかもしれない。
この状態になってようやく、会社という選択がででくるのではないか?
理念と、組織の整理
個人の価値観
→ 実現したい思い
→ 手段の一つとして会社という組織を作る
こういった流れがあると考えた。
稼ぐとはなにか
続いて、お金を稼ぐことについて考える。
ここで改めて、個人や会社には理念がある。それは『こうなっていてほしい』という望みだ。
では、実際今の世の中で、それを実現もしくは継続するにはどうしたらいいだろうか。恐らくだが、よほどの大金持ちでない限り、お金が必要になる。
では、お金を作るにはどうしたらいいだろうか。それは仕組みを考えないといけないだろう。
ではどういう仕組がいいのか。
これは答えがない世界だ。ここではこれ以上は語らない。(というか語れない)
ここまで、お金を稼ぐことは理念を実現するために必要ということがわかった。そして、理念に反しないよう、仕組みを考えることを会社はやっているのだ。
理念と稼ぐことは、近いけど別物なのだ。
私たちはなぜ働くか?
視点を個人に戻そう。
さて、私たちはなぜ働いているのか。
生活のために、お金のため、自己実現のため、特に考えてないなど人それぞれあると思う。
ちなみに私は、生活するためである。
そんななか今回、社是の存在意義とお金を稼ぐことの解釈をした。
考えをまとめると、
企業の理念は個人の価値観の延長であること
企業は個人の価値観を実現する手段として存在すること
企業の理念を継続可能なものにするために、お金を稼いでいること。その収益モデルがあること
である。
アイアム主人公!?
ここで、思ったことが一つだけある。
もしかして自分は自由でいいのではないか?ということだ。
『こうなったらいいのに』は自由に考えていいのだ。だって、いまの企業の理念のもとは個人の価値観なのだから。
逆に『こうでなくてはならない、耐えないといけない』と、つい私は考えてしまうが、辛いなら辛いと思って良いのだ。きっとそれも尊い価値観なのだから。
そう思えたら、それを実現するよう動いたらいいんじゃないか?必要なら会社だって、作っていいものなのだ。もちろん簡単なことではないが、そういう選択ができると思えただけでもよかったと思う。
もっとも、働くことに対して受け身で、辛いことは自分を否定して耐えてきた私だ。これからはちょっとずつ、わがままな自分を許容していこう。そうやってようやく、自分を理解できると思う。
そのうえで、「なぜ働くのか」をようやく自分の言葉で語れるようになる。