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SaaS、多国籍展開のススメ。

awoo AIというプロダクトのVPoCSを担当しております。台北を拠点にアジアで仕事をしており仲間も大募集中です。ここ数年SaaSな方たちと色々な国で出会い得た経験、挑戦している中で得た情熱をシェアできればと思います。

本稿は #SaaSLovers リレーブログ参加用の記事であり、12/20に無茶振りされて12/23に投稿しております。ありがとう。

無茶振り

SaaSのマーケット

1カ国で成長ができる国がいくつかありますが、そのうちの1つが日本です。とはいえ今後は日本のマーケットは相対的に小さくなっていくこともあり1カ国集中という状況はこれからは選択肢に入らないでしょう。

また今年に入り投資家の方と話していると成長重視からバランスの取れた成長を求めれるようになりました。その中で本国以外の第二国に投資するという意味合いがまた変わってきているように感じます。

このような状況になる前の2019年あたりから自分は海外でSaaSな方達にたくさんお会いしてきました。もちろん自分も頑張ってます。

その中で得たことを共有できればと思います。

なぜ、多国籍展開が必要か

  1. シングルプロダクトで日本(1カ国)だけだとトップラインの限界がある

  2. プロダクトが日本(1カ国)に向き合いすぎてガラパゴス化しちゃって開発カオス

  3. 組織の価値観が単一化して組織の弾力性がなくなる

早い段階で多国籍展開をススメる

創業当初から複数の国を見据えたいとは思いつつも現実的には制約が多く難しいので、母国の日本を軸とするのも一つの手だとは思います。
また、事業ステージが進んでからだと収益が低いがポテンシャルがある国に投資するというは中々理解を得られないこともあり、早めの展開をオススメしたいという側面もあります。

多国籍展開の要点(今回は日本企業視点)

  • 責任者に国際的な経験がある人(各国優秀なローカル)をアサインする

    • 経験は重要。人はバイアスを拭いきれないので得意な人に任せる

    • 価値観、会話の内容から滲み出る人格に人はついてくる

  • 英語でインプットして英語で話す

    • 当たり前ですが、全部英語

  • 経営判断の優先度を上位にしておく

    • 日本を優先したくなるようでは失敗する

  • 時間はかかる

    • PMFしている状態をもう1回やるということ

    • 焦って売上を求めても無理なものは無理(SaaSは特に)

  • カスタマーサクセスは日本と違う

    • 日本ほど顧客の期待が細かくない

    • CSのタッチよりドキュメントや優れたUI、API

  • プロダクトフィードバックの仕組みを緻密に決める

    • プロダクトの思想を各国に隅々まで浸透させる

    • その上で期待するフィードバックをPMから伝える

    • 何割を何に割り振るかを事前に決める

    • 開発はスプリントが適している(と思っている)

  • ユニットエコノミクスが成立しない国は頑張ってもしない

    • 早めに撤退する

  • ファーストユーザを徹底的に深掘りする

    • 国やインダストリーに相対する仮説マップを作りLinkedinで営業しまくる

    • 最初に協力してくれるPoC先と共にPMFを目指す

      • アウトプットイメージ↓数字や国は適当

地道な営業結果から刺さるポイントが見えてくる、各国のLinkedinのFB
PoCと営業結果から各国業界のポテンシャルを定量化
ソリューションと国毎のポテンシャルをPoC結果から見極める

1年くらい営業とPoCを行っているとプロダクトの刺さるポイントが見えてくるのでそのタイミングでユニットエコノミクスが成立するか、成立するまで特定の国に投資し続けられるかを見極めれば良いと思います。

反面、日本のマーケットはどう見られているのか?

日本に進出したいという企業の相談を週に1回くらいは相談を受けます。相当難しい割にマーケットがそれなりにあるが故に無視できないのです。日本は収益性の高い企業が集まっている事実はあり、これらの企業に営業したい企業にとって「日本に進出する」ことは必然的にロードマップの一部となってます。

ただ、参入障壁が高く、言語や文化の違いから、ローカライズがマストです。日本への進出が経営会議で決定されたとしても、結果参入は無理、あるいは難しすぎて苦戦ってのをよく見かけます。特にアーリーステージの企業においては。

なので、片足を日本に置いておくってのは現実的な強みかもしれません。

組織への影響

Opsめっちゃ重要

また、多国籍展開はOpsのテコ入れを行うことと同じです。なるべき組織が若い時に手を入れておくことが重要だと思ってます。多国籍展開はOpsの仕組み、そしてそれを実行する人材に依存します。組織の基盤めっちゃ重要。

多様な組織から無意識なイノベーションが生まれる

多様性に耐えうる組織のためには国籍を縛らない雇用を早い段階から行い、多様前提の組織にしておくことが重要だと思ってます。そして、多様であることでより多様な製品が生まれ、より多様なユーザーグループに対してより良い価値を提供できることに繋がるはずです。開発ロードマップをディスカッションする際に、実はA国では当たり前の機能がB国ではすごく革新的な機能であることがあります。日本では、え、そんな機能要らなくね?と無視されていたものが、急にイノベーティブな機能として浮上するのです。これは多国籍展開の大きなメリットだと言えます。

文化や言語的な多様性はこのように組織やプロダクトの継続的な成長にダイレクトにつながってくると強く実感してます。

多国籍展開は、単に市場を拡大し、収益を上げることが目的ではなくイノベーションを起こすことが多いにあるというのが一番のメリットかもしれません。

ローカルに任せる

各マーケットの意思決定は顧客に最も近いところにいる人たちが一番正しいです。日本で成功しているから同じことをやってほしいという指示は最も悪手と考えてます。押し付けではなく、ちゃんと意思決定まで任せることが重要だと思います。

最後に:多国籍展開は刺激的

色々な国の人と色々な課題を解決することはめちゃ情熱的で最高に楽しい。背景にある文化や社会的な課題、経済状況などを肌で感じ個人も組織もプロダクトも事業もクライアントも共に成長していく。もちろん難題は多く、泥臭いことばかり。その先に見えてくる景色が思ってみない最高の景色だったりすることも。今自分は33歳ですが、30代では結果を出すことに注力し、一歩一歩努力して進んでいきたいと思います。

仲間、大募集中!!

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