無理をして頑張ってしまう同志へ
こちらの記事は、2024年7月発売の小鳥遊著作「『発達障害』『うつ』を乗り越え@小鳥遊がたどりついた 『生きづらい』がラクになる メンタルを守る仕事術&暮らし方」(ナツメ社)の内容に関連したものです。
無理をしている自分が好き?
私は、会社というもので働き始めた当初は残業大好き人間でした。残業が大好きというよりは、残業をしてでも頑張っている自分が好きだったのです。
そもそも、その会社の役員面接では「うちの会社は、定時過ぎてからが本番みたいなものだから」と言われて、「おおっ!なんか、『仕事をしている』って感じでかっこいい!」と思ってしまったんです。今考えれば、何それ?という感じですが、当時はとにかく「仕事をしている自分」に強烈な憧れがあったのです。
そんな無理をしている自分が好きで、残業もめいっぱい、終電まで毎日やっていました。
残業をいとわなかった理由
「残業をしてでも頑張っている自分が好き」だった理由をもっと細かくしていくと、当時一緒に仕事をしていた人たちと仲が良かったから、というのが出てきます。
私と同じくらいの年代の男性社員6人で毎日昼食を食べに行くくらい、そして休みの日に連れ立って旅行に行くくらい仲が良かったのです。そんな仲間と夜遅くまで仕事を頑張って、仕事終わりに一杯ひっかけて帰る。「おお!これぞ自分が求めた『サラリーマン生活』だ!」と思っていました。
20代をほぼすべて司法書士試験の受験に明け暮れ、ADHDが判明し、「自分はまともに社会人生活が送れないかも」と思っていた私にとって、普通のサラリーマン生活が送れることは、本当に嬉しかったのです。
頑張り過ぎる
しかし、そこで頑張りすぎてしまって、なおかつ会社内の状況も変化して、牧歌的な毎日が終わってしまいました。パワハラチックな態度で接してくる同僚が親会社からきたこともあり、途端に仕事が重荷になり、簡単に潰れてしまいました。
そうなる前にうまく怠けることができれば、また違った人生を歩んでいたと思います。その当時の私は「頑張る」一辺倒でした。
そこで大事なのは、「おいおい、そんなに頑張っていないで、ちょっとはズル休みとかしていいんだぜ?」という悪魔のささやきに耳を傾けることだったと思います。
悪魔のささやきこそ大事
「そんなことないよ!仕事はいつも一生懸命毎日頑張らなきゃ!」という天使の自分が、悪魔の自分を打ち消していました。
その後の展開を考えれば、実は、天使が悪魔で悪魔が天使だったと思います。真面目に頑張ろうとする人にとっては、悪魔のささやきこそ耳を傾けた方が良かったりします。
今も、私の基本的な姿勢は変わっておらず、天使は相変わらず「仕事を頑張ることはいいこと!全身全霊で取り組まなきゃ!」などと言ってきます。しかし、そこはあえて「いやいや、今日は休んじゃおうよ。大丈夫だよ一日くらい」といった悪魔のささやきを優先することがあります。
「天使=善」「悪魔=悪」という固定概念を捨ててみる、というのもまたありだと思います。