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なかなか仕事に取りかかれない同志へ

こちらの記事は、2024年7月発売の小鳥遊著作「『発達障害』『うつ』を乗り越え@小鳥遊がたどりついた 『生きづらい』がラクになる メンタルを守る仕事術&暮らし方」(ナツメ社)の内容に関連したものです。

取りかかれない原因

やらなきゃと思いつつ仕事に取りかかれないこと、よくあると思います。「やる気を出せ!」「頑張れ!」と自分のお尻を叩いても、なかなか進められない、取りかかることすら難しいのがほとんどではないでしょうか。

取りかかれない原因を自分の怠け心とかモチベーションの低さとかに求めて自分を責めるのは意味がないと考えます。それで見違えるように「取りかかれる自分」になることはほとんどなかったなというのが私の経験です。結果に結びつきづらいのです。

そこでお勧めなのが、「最初にすることを書きだす」です。

「まずはこれだけやればいい」

仕事をする上で、その仕事が完了するまでの計画を立てて見通しをつけることはとても大事です。しかし、それができるとは限りません。途中でどうなるか分からない長期に渡る仕事もあると思います。そういった仕事を目の前にすると、「何から手を付ければいいか分からない」と尻込みしがちで、その結果取りかかれないのです。

それに対し、「最初にすることを書きだす」のが有効です。「まずはこれだけやればいい」というメッセージになります。これでかなりハードルは下がります。少なくとも、何から手を付ければいいか分からない状態ではなくなります。

でも、その後の展開が分かっていないのに、見切り発車していいのだろうか?と心配になるかもしれないですね。

だんだんと道筋が見えてくる

最初にすることを書きだして実行すると、その次にやることぐらいは分かると思います。それも実行したら、またその次。この繰り返しでだんだん仕事は進んでいきます。

そうすると、だんだんと仕事全体の完了までの道筋が見えてきます。先行きの見えない真っ暗なトンネルを歩かされているときに、かすかな光がはるか前方から見えると、がぜんやる気が湧いてくるようなイメージです。そこまでいけば、取りかかれるようになっていることと思います。

「できること」を目の前に置いていこう

なお、書きだすべき「最初にすること」は、「できること」であるのが大事です。私たちはできることしかやろうとしない、と思っていいと考えています。

できるからやる。なんと怠惰な話かと思うかもしれませんが、少なくともそう考えることによって取りかかれる確率はアップします。「できなささそうでも歯を食いしばってやろう!」と頑張るのも良いのですが、確実に取りかかれるための現実的な対策は「できることしかやろうとしない」と考えた方が良いと思います。

ボトムアップとトップダウンの両方を使い分ける

最初にすることを書きだして完了させ、次にすることを書きだして完了させ、というやり方で実績を積み上げていくこの方法をボトムアップとします。逆に、結果から逆算してあらかじめやるべきことを全部書き出す、というやり方をトップダウンとします。

私は、基本的にはトップダウンの方法を採ります。なぜなら、完了までの見通しをつけることが自分にとってとても心地よく、安心して仕事を進められるからです。たとえ途中で道筋が変わったとしても、その時点でまた見通しをつけなおして歩き出すことにしています。

とはいえ、完了までの道筋がはっきりできない仕事もあるので、そのときは例外的にボトムアップの方法を採ります。これはこれで、仕事を進めることができるので重宝しています。ただ、いつかの時点で完了までの道筋が分かるようになるので、そのときはトップダウンに切り替えます。

いずれにしても、やる気や根性に頼り過ぎず「やり方」で仕事を進めやすくするアプローチは、とても大事だと感じます。

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