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0か100か、白か黒かで自分を追い込んでしまう同志へ

こちらの記事は、2024年7月発売の小鳥遊著作「『発達障害』『うつ』を乗り越え@小鳥遊がたどりついた 『生きづらい』がラクになる メンタルを守る仕事術&暮らし方」(ナツメ社)の内容に関連したものです。

0点か100点か

過去の私の思考法でダントツに強かったのが、この0/100思考、白黒思考です。テストで95点を取ったとしても「100点には5点足りない」→「100点じゃない」→「だからダメだ」と考えてしまう考え方です。

こう書くとあまり現実味はありませんが、どんなときでも自分の足りていない部分を見つけ出してはその改善を施していくという姿勢を持っている人は少なくないのではないでしょうか。

この姿勢、一見するととても良いように見えます。常に改善すべき箇所を探し、見つけては良くしていく。絶えず成長をしていく良い姿勢だと評価されるでしょう。

調子に乗ってはいけない?

この姿勢が自分の基本的な思考になっていくと、「自分は素晴らしい」「自分のこれ、うまくいっている!」といった、自分に対して肯定的な意見や感情を持つことを禁じる方向に走りがちです。

自分は中学校の吹奏楽部でクラリネットという楽器を始めたのですが、ごくたまに良い演奏ができると、「あれ?自分上手い演奏したかも!」と思った次の瞬間には、「いや、調子に乗ってはいけない。ここの音程を少し外していたし、リズムも甘かったし、何より音色はもっと良くなるはずだ!」と、なかば自動的に自分自身を叱咤し始めていました。

その甲斐もあり、また部活の先輩の熱心な指導もあってか、かなり楽器の腕は上達しました。しかし、万事この考え方でうまくいくと信じ込んでしまい、苦手な「仕事」分野でも0/100思考を当てはめ続けてしまったのです。

結果は、仕事がうまくいかず、抑うつ→休職→退職というルートでした。そもそも、「抜け漏れ」「先送り」「過度の自責」「段取り苦手」「集中しづらさ」といった、仕事に支障が出るような傾向を持つ私が、そのままの状態で仕事を頑張ろうとしても、なかなか事態は好転しなかったのです。それなのに、「そんな自分じゃダメだ」「もっと努力しろ」と、スポ根的な0/100思考が執拗にダメ出しをしてくるのです。精神を病むのも時間の問題でした。

ならば「調子に乗ろう」

そうだったら、ちょっとでも他人から評価されたり、自分自身で良かったと思えたら、思いっきり調子に乗ろう!と考えました。今までの正反対のことをしようとしたのです。

100点満点で80点取れたら、「よっしゃー!80点取れた!」と喜ぶようにしました。むしろそれが50点や30点でも、「半分取れた!」「赤点まぬがれた!」と、無理やりにでも理由を作って、自分を褒めるようにしたのです。

家族や親しい人に、「俺さー、この前こんなことができたんだー!」といったような形で、言葉に出して伝えるようにしました。半分以上は自分に言い聞かせるつもりで、「そんな自分を自信づける、好きになる」ようになりました。

人に言うのが恥ずかしい場合は、褒め日記をすると良いかもしれません。一日の終わりに、その日良かったこと3つを書くのです。これには、精神的に良い影響があるとの研究結果が出ています。

いずれにしても、0/100思考で自分をネガティブに捉えて追い込み過ぎるの人は、自分を認めてあげる方向にもっと舵を切ると良いと思います。


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