一人で抱え込み過ぎる同志へ
こちらの記事は、2024年7月発売の小鳥遊著作「『発達障害』『うつ』を乗り越え@小鳥遊がたどりついた 『生きづらい』がラクになる メンタルを守る仕事術&暮らし方」(ナツメ社)の内容に関連したものです。
地雷化する仕事
人知れず仕事を抱え込んで、結局締切が過ぎてしまって地雷化してしまった仕事、そっと書類を机の引き出しに入れてなかったことに……そんなことをした経験のある人はいい友達になれそうです。
地雷化した仕事が気になってなかなか他の仕事に集中できず、会社を出てからも気になってしまって、友人との楽しい食事も気もそぞろ。いつか、「あの件どうなった?」と上長が言い出して、部内でその「書類」の一斉捜索が始まり、万事休す!みたいなことが私にはありました。
抱え込む心理
仕事を抱え込んでしまうのは、そもそも「これは自分でやります!」という立派な心がけから始まったりします。それが、ちょっとしたはずみで仕事が手につかなくなり、いつの間にか地雷化してしまうのです。
その「自分が頑張ってやり切ります!」といった立派な心がけは、意外に思うかもしれませんが、脱するべき「べきねば」思考です。「できないかもしれないし、早いうちから誰かに頼っておこう」という、一見すれば頼りない感じの心持ちが、実は仕事を平穏に完了させられるカギだったりします。
上司に定期的なリマインドをお願いする、6割程度の出来で先輩にチェックを依頼する、後輩に「この仕事大変でさぁ」と開示する、そんなことが、仕事の地雷化を食い止めることにつながったりします。
共犯者をつくろう
そういった「抱え込まない」で仕事を進める上で、とても大事な考え方があります。それは「共犯者をつくる」というものです。
なんのことはない、「ちょっと手こずりそうだな」というニオイが少しでもしたら、「これ、進め方がよく分からないんですけど、何からやればいいでしょうか」とか「これって、結局何が目的なんでしょうね?」といった、基本的な質問をして意見を求めるのです。
こういった質問は、仕事が発生したときにすぐに聞いた方が良いです。仕事を引き受けてずいぶん経ってからでは、「なんで今さら聞くの?」と言われそうで、こういった質問をしにくくなります。上司なり先輩なりにこういった質問をして、関わってもらうのです。そうすることで、上司や先輩が「共犯者」になってくれるのです。
いったん共犯関係を築くことができたら、あとは「先日ご相談した件なんですが……」と、進捗途中であってもスムーズに聞くことができます。
これは「頼る」ことに他なりませんが、「共犯」と考えることで、ちょっと声をかけやすくなります。ぜひ、早めに共犯者をつくってみることをお勧めします。