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【徒然20240824】自己理解へ至る2つの道
昨日(8/23)、臨床心理士の村中直人先生とXのスペースで対談(という名の村中先生のお話拝聴イベント?)をしました。
そこで、とても勇気づけられたことがありました。発端は、こちらのポストをご紹介したことから。
スペース楽しみにしてました!
— マスブチミナコ (@masco) August 23, 2024
わたしはASDなんですが、自分の困りごとに対しては、自分自身でも一歩二歩踏み込まないと対策まで辿り着けない気がしています。ハックも役に立つんですが、特性を含めないと自分でもなぜできないかが分からないので…
自己理解に至る道は「ボトムアップ」「トップダウン」の2種類あるという話でした。
ボトムアップは、普段の自分の行動からくる困りごとを解決(もしくはカバー)する現実的な対策を積み重ねることで自分の特性を理解するタイプです。
トップダウンは、まず自分の困りごとの核になっているものを置き、この核が日々の生活にどういう形で顔を出しているのかを知ることで自分の特性を理解するタイプです。
この2つの間に優劣はなく、ただ単に2つの道があるだけです。ただ、このどちらのやり方が合うかも特性によるとのこと。
たしかに、ボトムアップは具体から入って抽象に行き着くイメージで、トップダウンは抽象から具体へ行っているイメージがあります。私は、抽象的な話は具体的な事例などに落とし込んでから理解したいタイプなので、ボトムアップが合っているということになるのかなと。
そういった実感から、スペースが終わったあとにこんなポストをしました。
今日の村中先生とのスペースをやってみて思ったのは、「ADHDという枠組みはある意味どうでもいい。あるのは個別の困りごと。その対策を講じていく中で『自分』を知ることが大切」ということ。… https://t.co/v2o2la0VoO
— 小鳥遊@発達障害×タスク管理 (@nasiken) August 23, 2024
今日の村中先生とのスペースをやってみて思ったのは、「ADHDという枠組みはある意味どうでもいい。あるのは個別の困りごと。その対策を講じていく中で『自分』を知ることが大切」ということ。
もちろん、自分はADHDの診断を受けていることは事実だし、自分を理解するための分かりやすい符号でもあるし、ADHDによくある傾向は自分にもある。けど、それにとらわれすぎると、自分を見誤る可能性がある。
「これでいいんだ」「このやり方でいいんだ」と勇気づけられたんですね。
今までは、どこか自分の中でトップダウン手法によって自己理解をする人への憧れみたいなものがあったように思います。心理系の学問を修めたり、学術的な論文をたくさん読み込んでいて、「だから、自分はこういう行動をしがちなんだ」と話を展開できるのを、「すごいなぁ」「こうあらねばいけないのかも」と思っていました。そちらの方がすごいもの、上位にあるものだと考えていました。
そう思うなら、頑張って心理系の学問を勉強したり、論文などを読めばいいんでしょうけど、自分は日常的な困りごとに直面して、それをどう乗り越えて(あるいは避けて)いくのかという中から、自分なりのライフハック・生存戦略みたいなものを見いだして「自分ってこうだよね」と理解していく方が性に合っているのです。
「ボトムアップもトップダウンも、どちらも優劣はない」という話は、そんな自分に勇気を与えてくれた気がしています。
果せるかな、私が書いている本はボトムアップの典型のような作りになっていて、仕事や生活に役立つ工夫を数多く集めた構成になっています。スペースの冒頭で、村中先生が開口一番、「私は、小鳥遊さんが書いたような本は書けない」とおっしゃっていたのは、まさにこのトップダウンとボトムアップの違いによるものなのかなと思っています。
トップダウンは、実になるまで時間がかかるというデメリットはあるものの、いったん血肉になったら、色々な状況に対策を講じる応用がきくというメリットがあります。
ボトムアップは、個別具体的な対策(ライフハック)がハマらなければまったく効果がないというデメリットはありますが、(ハマれば)即効性があり効果も大きいというメリットがあります。
個人的には、ボトムアップをベースにしつつも、トップダウンも取り入れていければと考えています。
そんなことを考える機会をもたらしてくれた今回のスペースに感謝したいと思います。非常に示唆に富んだ内容になっていますので、ぜひ一度お聴きいただくことをおすすめします。