イヤなものはイヤと自分に許すこと。
1月5日。
田舎でも人々でごった返すモールにマッチングアプリで知り合った方と行った。
彼は46歳だが、もっと年嵩に見えた。
53歳くらいに見えた。
人の目があるところで会わないと、女性は不利だ。
万が一があったら何をされるかわからない。
モール内の飲食店でランチをしながらお相手の苦労話を聞き、私は「自営業は大変だな」と感じた。
その後、2人でふらふらモール内を歩きながら話をした。
彼は、店先に並んでいる福袋のちょっと空いているのを見つけると、
「何が入ってんだろ?」
と覗き込み、少し開けた。
「そんなことをしてはいけませんよ…
売り物なんですから…」
「はっ、俺はそんなお高く止まってないからな」
お高く止まる?
私が?
売り物を勝手に開封しちゃいけないのは
お高く止まっているの?
念の為、私は彼にギャンブルをするか訊いた。
お小遣い内でやるらしい。
「ギャンブルするなっていう女の感覚わからん、何がいかんの?」
そっか、そういう感じか…。
モール内の休憩所で、私は生い立ちを話した。
親に殺されかけたことが何度もあること、
暴言ばかり受けていたこと、
誰も庇ってくれなかったこと、
ずっとPTSD以外の別の病気に誤診されていたこと。
ひとしきり話を聞いた彼は開口一番、
「〇〇さんラッキーだね。
そんな家に生まれても強い精神力持ってて、ラッキーだよ」
……あんな家に生まれてラッキーって…。
虐待家庭に生まれて私はラッキー?
この人…私キライ。
モールを出た帰り道。
いきなり彼はこう言った。
「もし付き合うことになったらキスもハグもそれ以上のこともし放題でいいよね?」
「俺、実家ぐらしだから〇〇さんの部屋でやることになるけどなるべく迷惑かけないようにするから」
「二人で風呂入ろうよ」
「手ぇ繋いでいいよね?」
グッと私の手首を彼が掴んだ。
私は振りほどいた。
「初対面ですよ!」
「いや、対面して時間たったじゃん(笑)」
信じられない…。
この人、恋人探しじゃなくて、セフレ探しをしてる…
そうとしか思えない。
イヤ、こんな人に抱かれたくない。
だって、「いいな」って思うところが一つも見つからないんだもの…
飄々とした冷たいもの言い。
少し私を見下したような喋り方。
イヤ、
イヤ!!
少しは、好きになろう、努力しよう、と私も頑張った。
でも、送られてくるラインは下品で、スタンプは見下し笑いのイラスト。
あ…私この人本当にキライなんだ。
マッチングアプリのページからも彼をブロックし、ラインもブロックした。
先が見えなかった。
見えたとしても、同意なく引きむしられて泣いている自分しか思い浮かばなかった。
相手に誠意みたいなものを一切感じなかったのだ。
自分の中でキライと判子が押された。
この人キライ。
離れよう。
嫌っていい。
失礼なことされたし、
言われたんだから。
キライでいいよ。
キライを自分に許した。