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お前?お前?

「お前!」
「お前!」

自動車免許を取る前は身分証が「障害者手帳」しかなく、私は「警察」というものからずっと「お前」と呼ばれていた。

性暴力被害も
「なに…?あの女、障害者…?
妄想じゃないのか?適当に追い返せ」
と廊下でヒソヒソ話をされ、私は警察というものに対して不信感しか持っていなかった。

オヤによるつけ回し行為や住民票閲覧制限の際にお世話になったが、今でも決して警察は好きではない。



面倒だったのが自動車免許の交付の際だった。
その場にいた警察官には私の救急搬送履歴が見られるらしく、
「おい、お前!
お前、夢遊病で救急搬送されてるな!?
ホントに車の運転なんかして大丈夫なのか、お前は!!え?」

私を引き止め、「お前!、お前!」と下品なまでに繰り返し、その警察官はまくし立てた。

私は昔「睡眠時異常行動」という症状(副作用)で夜中に意識なく出歩き、その先で眠ってしまい搬送されたことがある。
睡眠導入剤が合わなかったのだ。

「ああ、あの時ですね…
夢遊病と記載があったのですか?
あの晩の当直医師は小児科医ですよ。
今、わたくしがかかっている心療内科の先生から診断書と❝運転に支障なし❞の旨のお手紙を頂いていますから、どうぞご覧になってください」

私は尋問もどきを覚悟で免許の交付に来ていたため、サクッと手渡した。


その警察官はもう一人の警察官と一緒に内容を確認し、私にこう言った。

「書類の確認をいたしました。
二番窓口から手続きに進めますので、どうぞ」

態度変わりすぎ。



残念ながら、身分証が「障害者手帳しかない」のはすごく不利でした。

免許を取ってからは警察官に「お前」と呼ばれたことはありません。
オヤのつけ回しや、閲覧制限の対応も「免許が取れてから」でした。

あまり、感心はしませんよね。

初対面で、別に悪いことをしたわけでもなく。
「お前!、お前!」って。



今でも、免許の更新や、落とし物を拾ったときなど警察と関わりますが、物腰の柔らかい人もいらっしゃるので一概に「感じが悪い」とは言いませんが。

それでも、やはり相手のことは丁寧に呼びたいなぁと常々思うのは私のこういった経験からです。



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