娘がレイプされ喜ぶ母親。
別にそれが初めてのレイプではなかった。
車に乗った男性が地図を出して、道に迷ったから教えてほしいと言ってきた。
21歳の時だった。
私は、「困ってらっしゃるなら」と近寄り、道を教えようとした。
バクンッ!!
カチッ
ブロオオオォッ!!
男は私を車に引きずり込み、
チャイルドロックをかけ、
急発進した。
連れて行かれたのは山の中。
私はそこでレイプされた。
当時、私は食事がとれていなかった。
食べられないというより、食べようとすると同居していた母と妹が暴れ出すからだった。
「てめぇ、自分が飯食う価値があるとでも思ってんのか!このド腐れ!悪魔ーっ!!」
ひとしきり事が終わって、私のお腹がキュルルと鳴った。
「お前、飯は?」
「たべ…られて…ない…」
男は私にパンを買い与え、道に私を降ろした。
私は体を引きずりながら帰宅した。
母と妹は、パンにかぶりついた。
「うめえ!うめえ!」
「うめえ!うめえ!」
瞬きしない瞳で、壁に背中をつけて、リスのようにフランスパンをかじっていた。
私を凝視しながら。
そして、服の乱れた私の周りを母がくるくる回りながら手を叩き始めた。
踊り始めた。
「ティッシュ!
ティッシュ!
お前はティッシュ!」
「精子を拭うティッシュ!
便所!
便所!
お前は便所!」
「私は子供ができて結婚した!
お前は出されて捨てられた!
お前は私より劣っている
お前は私より醜い
お前は幸せになってはいけない
私より幸せになるなど許されない
一生ティッシュでいればいい!!」
「お前が幸せ?ふざけるな!
ティッシュ、ティッシュ!
ティッシュ!ティッシュ!」
頭の上で手をパチパチ叩きながら、母親は歓喜に舞っていた。
母は本気で私の不幸を喜んでいた。
母は私を恐れていた。
いつか、この子が私より幸せになるんじゃないかと怯えていた。
だから、彼女は踊り狂った。
悪魔は私ではなかった。
母が悪魔だった。
自分が望んで産んだ子を本気で呪う悪魔だった。
でも、それをサラッと話せるようになった自分を私なりに評価している。
私に非はないからだ。