《虐待サバイバーから見る》眩しい待合いのギャン泣き
今朝、起きて『しまった』と一言。
『ああ、やっぱり扁桃腺炎が酷くなってる…
高熱を出す前に耳鼻科にいかないと、また注射されちゃうぞ…』
すぐに耳鼻科の空きを確認して、診てもらってきました。
薬を処方され、ひと安心。
コロナワクチンの接種は延期するように言われたため、帰ったらすぐワクチンの日取りを調節しようと思いました。
『ああ、訊けてよかった』
そんな耳鼻科の待合でのこと。
検査か処置かが辛かったんだよね、きっと。
ちびっこが泣いていました。
母親にしがみついて、いわゆる『ギャン泣き』でした。
私は子供が苦手です。
しかし、必死によしよしをする母親と、必死で『嫌だったアピール』をするちびっこが何だか眩しかったのです。
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私は2~3歳の頃から中耳炎がひどく、あまり音の聴こえない世界にいました。
大きな市民病院内の耳鼻科に毎週通う日々でした。
頻繁に通ったのは小学3年生頃まででしたが、最終の通院時には中学生になっていました。
ピークは幼稚園頃から小学生の2年生あたりまででした。
しかし、私は幼いにも関わらず、とても静かに待合で過ごすことができてしまう子供でした。
病院は色々な病気の人が来るところ。
静かにしなきゃいけないところ。
おしゃべりしちゃいけないところ。
私は自分の手元で遊べるような折り紙やあやとりで静かに順番を待ったものでした。
しかし、『異常なまでの大人しさ』には理由がありました。
我が家は『躾の範疇を超えた躾』をしており私は身も心も凍りついた状態で生活していたからです。
時折、待合で私が折り紙などをしているとおばあちゃんが話しかけてくることがありました。
おばあちゃんはだいたいは毎回違うおばあちゃんでした(もちろん、予約がかぶったりして多少顔なじみになることはありました。耳鼻科以外の科の患者さんから声を掛けられることもありました。フロアは繋がっていますからね)。
イマドキはあの世代(60代)の人をおばあちゃんとは呼びませんけどね。
そんなおばあちゃんたちは口を揃えて言うのです。
『大人しい子だね…。
ねぇ、(私の母に対して)あなた?
もう少しのびのび育てもいいかもしれないよ?』
『ほ〜ら、とーんとんとん!』
(私を膝に乗せておばあちゃんが私をあやしてくれてました)
脇の下を抱えられて、私はくすぐったくて仕方なかったけど、このおばあちゃんは優しそうだと思いました。
他の方も同じような事を言っていました。
『この子…、聞き分けが良すぎるわ…
ねぇ?あなた?
この子、ノイローゼになってるかも知れないわよ?
もう少し自由にさせてあげなきゃ…
3歳の子供がこんなに大人しく待合で座っていられるなんて、むしろ不自然なのよ?』
そのおばあちゃんも私の脇を抱えて膝に乗せ、ゆらゆらとしました。
……?のいろ…なぁに?
当時の私には、この『のいろ…なんとか』は周囲のおばあちゃん(たまにおじいちゃん)が発するある意味❝おなじみの言葉❞で、なんとなく『良くない言葉なんだろうな』とは思っていましたね。
幼稚園児の頃にノイローゼだと言われていたわけですね。
まだ、あまりノイローゼなんて言葉浸透していなかった時代じゃないかと思うけれど、
その3年後には随分普及していたから『普及のハシリ時代』だったのかしら。
私はとにかく聞き分けの良い子供で、自分が『痛い』『怖い』『辛い』などはできるだけ言わないようにしていました。
いや、言えなかったんですね。
ましてや『泣く』なんてリスクが高すぎました。
母には自慢だったそうです。
反抗期のない子供。
そんな私が成人して虐待を受けなくなってもPTSDに苦しみ、『発達障害』の診断までおりそうなところに来ています。
(私の記憶は2歳から始まります。その代わり、成人後の記憶は解離を長年起こしていたせいで頼りないものです。
ふとした時にちびっこだった私をあやしてくれた知らないおばあちゃんたちに感謝の気持ちがブワッと溢れてくるときがあります。
ありがとうございました✨
ずっと
『なんで私はおばあちゃんたちの声が聞き取れたのかな?』
と不思議に思っていましたが、理由が分かった気がします。
耳を診てもらっているおばあちゃんたちだから声が大きかったのだと思います😅)
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病院の待合で『ギャン泣き』しているちびっこは、親に対して『安心しているから泣く』んです。
安心できない環境ではちびっこは『泣くこと』は出来ません。
本来、ちびっこが痛いことや怖いことされたら『泣く』のは当たり前で、その当たり前は『泣くことを受け入れてくれる人の存在』が無くては成り立ちません。
泣くことを許されてこなかった私は、ちびっこのギャン泣きを見るのが結構辛いです。
その上、聴覚過敏も持っているから、かなり辛い。
しかし、ギャン泣きできるちびっこに『君、よかったのう✨』と思います。
そして、子供を安心の状態にしている親御さんにも『ステキなお母ちゃん(お父ちゃん)ですね✨』と思っています。
こっちは大人だから、泣き声が辛ければノイズキャンセリングイヤホンをつけるし、心身ともに弱っているときは受付に一言断ってから一旦その場を離れます。
それくらいは出来ますよ。
大人ですから。
今日の待合でギャン泣きされていた『お母ちゃん』は周りにお辞儀してみえました『すみません…』という感じで。
あなたステキなお母ちゃんですよ。