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雪のあしあと。【冬の1コマ】
よく、年末寒波って言うでしょう。
一昨日だったかな。
福岡に雪が降るって予報を聞いたんですよ。
まァ、降らなかったんですけど。
雨留まり。
朝、アレクサにニュースを読み上げてもらって、ちょうど出かけるときに聞いたそれが、家を出てからも耳に残っていました。
年末年始はきびしい寒さ。
とくに12月28日は年末寒波のピーク。
昼すぎ、九州北部に大雪のおそれ……みたいな話。
で、予報の通りに寒さはきびしく、曇天に覆われ朝日は雲間に見え隠れする程度。
近くで陽を受ける雲がぼんやりと白い光をもらしていて、天頂ちかくの光がまるで薄明のように思えた午前中。
そのあと、会った人や電話でやり取りした人もその話をしていて、
「あぁ、降るのかな」
とか思ったんですよね。
結論、雨は降りました。
雪のままでは降ってくれなかったようです。
まァ、福岡のよくあること。
博多のざらめ雪。
これまでもたまに言及していましたが、九州北部というか、福岡もたまに雪が積もります。
経験則的には、だいたい年に一度くらいかな。
夕方から夜にかけて降りしきるのを見かけて、翌朝の積雪に期待して眠るような、そんな一日がたまにあるのです。
こんなふうに。
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博多がここまで白くなったのは何年ぶりだったろう。
今から3年くらい前かな。
前日の夜、これはまちがいなく積もると確信して眠りについたのを覚えています。
そして、雪が積もれば翌朝は非日常のはじまり。
雪道に慣れない車ばかりですから、道の上の車たちはみんな生き物のようにおそるおそる徐行します。
積雪に興奮した学生が元気に駅まで自転車で駆け出し、近所にアスファルト色の滑走痕を残します。
出勤途中の大人が下り坂で「ぅおっ」と間抜けな声をあげ、尻もちをつくことも。
その跡は雪解けまで残りますから、同じく通りがかるひとたちがそれを見かけては、「あァ、やってしまってるな」と省み、駅までの道をより慎重に辿っていくのでした。
こうして書き連ねると、わりと危うさもはらんでいますね。雪って。
むすび。
こちらでは、そんな積雪も年に一度あるかないかくらいです。
そして保ってせいぜい一日半とか。
見渡す限りの白と薄灰の空も、一度やってきたら次はまた来年。
冬の一コマに乗じた、ちょっとした雪の思い出話でした。
最後に余談ですが、私が小学生だったころ、雪がひしひしと積もった日は一時間目と二時間目の授業が自習という名の自由時間でした。
授業中に遊ぶことを許された子どもたちは、午前中いっぱい雪が降りしきる中グラウンドで遊び倒すわけです。
あえてサッカーボールを持ち出して、誰かが「ドリブル全然進まねー!」とか、それだけで十分笑えたわけですね。
そんな思い出もあって、たまに来る雪の日というものに私は妙な愛着を抱いています。
了
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