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特スキの報告+ざっくり日本語学コラム【短編小説神屋宗湛】
特スキ報告
こんにちは。
ななくさつゆりです。
今週もご報告!
毎週木曜日にお届けしている短編小説『神屋宗湛 - 砂浜に町を描いた男。』が、今回も特スキ(特にスキを集めた記事)に選ばれました!
ありがとうございます。
こちらの『神屋宗湛 』は、中世博多を舞台にした短編小説です。
当時の海風に馴染む博多の雰囲気を感じられる情景をご用意しております。
歴史の予備知識不要!
ぜひ、当時の気風に触れてみてください。
🎉
大変ありがたいことに、最近は特スキ記事が毎週複数でている状況です。
おかげですべては紹介しきれない状況ですが、少しずつでも継続してみなさまに感謝の意をお伝えしてまいります。
引きつづき、よろしくお願いいたします。
余談ですが、『神屋宗湛 』の作中では博多が焼け荒れていた理由に島津の北上を挙げています。
まァ戦のさなかで町を焼かれたわけですね。
が、実はそれ以前に毛利勢からも焼かれてます。
博多の近所で毛利の勢力と大友勢力の大激戦があったようで、巻き添えを食う形になった博多は相当焼かれたようです。だいたい数年スパン複数回です。
他にも、原田衆二千人に稲を盗みこられるわ、近場の城(岩屋城)がしょっちゅう戦場になるわ、もはや戦国板挟み伝説博多。
『神屋宗湛 』はもうちょっとだけつづくので、(5)をお楽しみに!
ざっくり日本語学コラム #2
ざっくり日本語学コラム~🎉🎉
毎週水曜日の報告記事にはコラムがつきものです。
前々回のホームズのコラムや、前回のコーパスのお話にも色々ご関心を寄せていただき、ありがたい限りです。
ひきつづき、広くは日本語学っぽいところから、狭くは文章論らしきところから、文章表現について気になることを気軽に読める内容で、みなさまにお届けしていきたいと思います。
ざっくり日本語学コラム …… 短く端的に、私がことばや文章表現を調べる中でふと思ったことや感じたことを書いていきます。
今回は、文章表現を深掘りする文章論の観点で、文章のそもそもの部分を振り返ってみました。
ざっくり日本語学コラムを、私の手元にある参考書籍からの引用で始めたいと思います。
引用元は、中村明先生の『文体トレーニング』(PHP文庫、2012年)。
文学のハイライトなどで、末尾の参考書籍によく記載している本ですね。
私が小説の表現を検討する際にパラパラとめくりがちな、とても参考になる本です。
いい文章の書き方なんて、そもそも一般化できるテーマなの?
その問いに対する考察の第一歩として、以下の通り引用します。
いい文章にもいろいろある。
そこから話を始めなければならない。
条件の違いに対応したそれぞれの書き方というものがあるのではないか。
何を当たり前のことを、と思われるかもしれません。
が、これほど大切で基本的なことを、私たちは簡単に忘れてしまいます。
この場合の条件とは、「何語で書くのか」や「何のために書くのか」といった、文章の前提のこととします。
たとえば、報道のための文章とラブレターとしての文章では、果たすべき目的と達成のための要素がまるで違いますよね。
好感をもってもらうとか、主張を社会に浸透させるとか、そうした目標をあらかじめ決めておくことで、表現効果に良し悪しの物差しが浮かんでくる、と考えています。
そして、目標を決めると浮かび上がってくる良い文章の指標に、正確さ、わかりやすさ、思いやりといった項目が出てきます。
さらに正確さやわかりやすさは読み手の負担を軽くする心くばりにも通じていて文章を書く目的によって科学的な事象と感覚的に掴んだ事実は使い分けるべきで……。
うーん! ちょっと待ってください。
その通りすぎるのですが、なんだか一般論的で観念的で、「そりゃそうだろう」みたいな話になりそうです。
なので、今回は、具体例に私が素直に良いなと思った文章を例としてお出ししてみたいと思います。
📚
端的にまとまっており、かつ、読んでいて爽快に思える例文が引用元にありました。
個人の感想ですが、さらりと読めて負担もなく、繰り返し読んでいたくなる文章です。
こうした文章を流暢につづってみたいものだなと、思うものです。
では引用します。
書き手は室生犀星で、堀辰雄に宛てた絵葉書の文面です。
来たいと思ったら何時でも来たまえ、汽車賃だけ持って来たまえ、落葉の下から水仙が伸びている古い町だ。
師弟関係にあった二人の関係性がうかがえる風流な一通ですが、適度に崩した語りが、オーダー・メードのユーモアとしても機能しています。
率直に自分の言葉として語る。
住んでいる町を知らせるフレーズに季節感を添える。
いいなァ、格好いいなァ。
📚
さて、今回は一文だけ紹介して力尽きそうです。
というより、もともと特スキ報告がメインの記事なので、ついでにくっついていているざっくりコラムをどのくらいの尺で書くのがベストか、ちょっと模索しなければと思いはじめています。
あるいは、いっそ別企画の記事するのもよいかもしれませんね……ちょっと検討です。
それはそれとして。
余談ですが、私が小説の文章を調べるとき、主に明治大正昭和あたりの文章をよく漁ります。
いわゆる近現代文学の中でも、近代文学寄りのところが深掘り対象です。
(このあたりの範囲の取り方については別回でやります。)
青空文庫全文検索があるからというのもありますが、こうして中村明先生の書籍にあたってみることも多いですね。
この頃の文学作品は地の文の表現ひとつひとつの手触り感というか、読んでいて「模索してるなァ」と思えるところも多く、調べていて多様性を感じられてかなり好きです。
📚
以上、今回のざっくり日本語学コラムでした。
文体トレーニング、版元調べた感じ、もう刷られてないっぽいんですよねぇ……良い本だから書き手読み手関係なく広く知られてほしいと思うし、勿体ないと思うんだけどなァ。
とにかく、今後も小説やエッセイに加え、こうしたちょっとした文章表現こぼれ話もお届けしてまいります。
読書玄人の方も、普段は読書なんてあまりしないという方も。
試行錯誤しつつ、皆さまに晴れやかな読書体験をお届けしてまいります。
ぜひ、スキやフォローや拡散をお願いいたします。
どうか気長におつきあいくださいませ。
ほぼ日記のような、ざっくり日本語学コラムでした。
今日もよい一日を。
ななくさつゆり
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