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09chiharu
エッセイ 梅酒のこと。半可通ほど通ぶりたい。(中編)
ゼミ棟の風気。
先日、数年ぶりに福岡大学に行ってきた。
バス停がある裏門から入り、鞄を肩に提げ淡々と歩く。
ひざしは柔らかい。目の前を一枚の葉が風に浚われていった。
夏を忘れてしまいそうな、涼しい風の吹く日。
視界に見える校舎は十号館に一号館。
通り抜けたバス停と、横目には自治会館。
奥には白亜の文系センター棟があって、眼下の空き地に立つバスケットコートの周りは、私が在学していた頃と変わらずそれなりの賑わいを見せていた。
「変わっているところと、変わってないところと……」
もちろん、それぞれある。
ところで、この大学に関し在学生や卒業生が問わず語るところでいえば、常に工事している、という小話だと思う。
私が通っていた頃から、なんなら私が入学するずっと前から、この大学はいつもどこかの普請をしている。
おかげで、いつも鳴ってる工事音は、福大生にとって定番の小ネタだった。
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