憧れの上海蟹
27歳にもなると、「なんだこれは!!」レベルの食の感動に出会うことは、もう無いんじゃないかと思って、少し寂しくなることがある。例えば、初めてチーズを食べた時の驚き、初めてあんこを食べた時の衝撃。もし今、食べたことの無い焼き菓子を出されても、見た目で、バターの香りや、生地の感じを想像して、どんなに美味しくても、なんとなく、想像している味の範囲を外れることは無い気がする。
そんな私が、ひっそり、期待している食べ物がある。
上海蟹だ。
私は、食べ物が登場する物語やエッセイが大好きなのだが、上海蟹の登場率は異様に高い(気がする)。一方、毛がにや、タラバガニには出会ったことが無い。毛がに、あんなに美味しいのに…。
しかも、上海蟹の味についての文章が、ほとんどないのだ。メスは卵が美味しいとか、初冬が一番美味しいとか、その程度で。
くるりだって、上海蟹食べたいあなたと食べたいよって言っている…。曲名も、「琥珀色の街、上海蟹の朝」だし、題名でもサビでも上海蟹登場だなんて、どれほど美味しいのだろう。普通そんな曲無い。こんなこと考えていると、PUFFYが食べに行こうって言っているのも、上海蟹かも。
あぁ上海蟹食べてみたい。どんな味なんだろう。身は、栗みたいにポクポクしているのだろうか、それともホタテみたいにジューシーなのだろうか。卵もとっても気になる。他のかにの卵とは違うのか。プチプチしているのか。それより、クリーミーだといいな。
【書いている途中での気づき】
「蟹」という字、上海蟹が一番しっくりくるな。
(参考:毛蟹、たらば蟹、香箱蟹、たかあし蟹、花咲蟹、ずわい蟹、もくず蟹、沢蟹)
上海蟹の味を確認するまでは、死ねないな。