27歳にもなると、「なんだこれは!!」レベルの食の感動に出会うことは、もう無いんじゃないかと思って、少し寂しくなることがある。例えば、初めてチーズを食べた時の驚き、初めてあんこを食べた時の衝撃。もし今、食べたことの無い焼き菓子を出されても、見た目で、バターの香りや、生地の感じを想像して、どんなに美味しくても、なんとなく、想像している味の範囲を外れることは無い気がする。 そんな私が、ひっそり、期待している食べ物がある。 上海蟹だ。 私は、食べ物が登場する物語やエッセ