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外為法違反事件から読み解く、該非判定の専用性の要件【判例学習】
【告知】
アンケート企画ですが、記事にするにはまだまだ回答数が足りません。
輸出管理関係者の皆様、是非ご協力をお願いします。
企業間の横の繋がりが出来にくい仕事ですので、同業者の様々な声が集まる事を楽しみにしています。
既にご回答頂いた皆様、誠にありがとうございます。
記事化まで今しばらくお待ち下さい。
【本編】
労働関係の法律に関しては、数多くの裁判が行われてきました。
法律の条文だけでは読み取れない部分も、裁判を通じて争われてきた歴史があります。
その裁判の判決は法律を解釈する上で重要な要素であり、判例は法律に近しいものと言えます。
労働判例から着想を得て、外為法も判例から学び取れる事があるのではと考えました。
最近の外為法違反事件の一つから、裁判の争点について掘り下げます。
初めての試みです。
令和元年(う)第101号 関税法違反,外国為替及び外国貿易法違反被告事件
事件の概要
(1)宏栄産業株式会社、ECOBANK株式会社及び有限会社ジャストジャパンは、平成25年5月に外国為替及び外国貿易法(外為法)の規制品目(輸出令別表1の4項(10))に該当する「炭素繊維製造装置の部分品となる不融化炉の炉殻」を経済産業大臣の許可を受けずに中国に輸出した。
(2)また、宏栄産業株式会社及び有限会社ジャストジャパンは、平成25年5月及び8月に外為法の規制品目に該当する「炭素繊維製造装置の部分品となる不融化炉の炉殻及び炭化炉の炉殻」を経済産業大臣の許可を受けずに中国に輸出した。
この事件の控訴審の判例を見ていきます。
控訴棄却の主文はこちらをご確認ください。
炭素繊維製造装置が私自身どんなものか分からなかったので、参考リンクを貼っておきます。
裁判の争点
関係法令の解釈
運用通達の「他の用途に用いることができるものを除く。」の専用性の要件
輸出貿易管理令別表第1の4の項(10)の「部分品若しくは附属品」の範囲を限定する法令解釈です。
本件貨物が他の用途に用いられる可能性があるかどうか?が裁判で争われました。
被告人の主張
被告人は、装置が竹や陶磁器用の乾燥装置や排ガス処理装置としても使用可能であると主張。
事件の背景
被告人は、複数の中国企業と炭素繊維製造装置の輸出契約を締結。
被告人は、これらの装置を不融化炉および炭化炉の部分品として設計し、製造。
裁判の内容
ブラック企業就業経験者。ライフハックや資格取得、輸出管理に関する情報を発信しています。挑戦を通じて得た知識や思考を、読者と共有することを目指します。