自省録18 町の小さな美術館①
私の趣味の一つは美術鑑賞である。でも大きな美術館や有名な画家の作品だけでなく、地方や田舎の美術館を巡るのが楽しみの一つである。携帯電話と財布とKindleだけを持って電車に飛び乗り、行ったことのない町の美術館を目標に行くのである。
今回は、ロンドンから電車で50分くらいの場所にあるCookhamという町にある
Stanley Spencer Galleryに行った。
小さな美術館のいいところは、美術館員が歴史や作家のことを丁寧に教えてくれたり、他のお客さんと気軽に話をできることである。
この美術館はチャペルを改装した建物であり、画家のStanley Spensorは9人兄弟で、お兄さんと11ヶ月しか離れていない❤️・・・とか美術館員のオバサンが笑いながら面白いことを話してくれる。
Stanley Spensorなんて全く知らない画家であったが、作品を見ていくと
直感的に好きな作品がいくつかあった。
何かを思い耽っている自画像のStanleyの姿をみながら、私は後世に何を残せるのだろうかと思った。虎は死んで毛皮を残すが、私の場合はアンティークコインと隕石くらいだろうか。いや、スケールが小さすぎる。形のあるものでなく、何かIntangibleなものがいいのではないだろうか。Stanleyは、この町に絵だけでなく、町民に誇りや記憶を与え続けている。私もそのような人になるために、家族や周りの人を大切にそして毎日を無駄にしないように生きていきたいと思った。
美術館員のオバサンがこの町の教会と川を見たほうがいいよと言っていたので、勧められた場所に歩いて行った。
なるほど立派な教会だ。その歴史は11世紀にまで遡れるらしい。庭も建物もしっかりとメンテされており、趣のある建物である。
そして、川の方向に向かって歩いていった。誰もいない野原の一本道を歩き、たどり着いた場所は、確かに雰囲気のある川であったが、Google Mapでみたらテムズ川であった。私は街中の汚いテムズ川しか見ていなかったので、上流で自然がまだ残っている姿を見てちょっと驚いた。
それから、駅の方向に向かって帰っていく時に、パブの外で飲んでいた若干酔っぱらいの現地おじさん軍団から、もう帰るのか?寂しいじゃないか、一緒に飲まないかと誘われた。
美術館に行くときに、そのパブのおじさん軍団と目が合い、挨拶をしたのだが、覚えていたらしい。いやいやあれから2時間半経っているよと突っ込みながら、みんなで乾杯🍻。
町の小さな美術館巡りではこのような体験ができて心を動かされる。いつか妻や娘たちも一緒に連れて行きたい。
さて、次の美術館放浪の旅はどこにしようか。