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それは突然に始まって。「今日から最低3週間は入院です」

私:え?入院ですか?

お医者さん:そうですね。この白いとこ見えますか?小脳のまわりにちょっとだけどありますよね。この状態を放っておくと体の麻痺が始まっちゃうんです。原因がまずわからないのでその検査もすぐはじめましょう。ここには背骨と同じ液体があるので、背中からちょっとそれをとって調べますね。16時までに髄液をとれたら検査にまわすことが出来ますから急がせて申し訳ないんですが、今から行きましょう

私:え!髄液?背中に針刺すの、しかも今から?怖いよー
夫:ちょっと麻酔が痛いけどそれだけだよ。ぼくも子供の時やったことあるよ。重い感じはあるけど。

私:怖いよー。痛そうーだよー。

お医者さん1:なるべく痛みを少なく努力しますよ!もし泣くほど痛かったら僕がゲンコツで怒ります!

お医者さん2:え、おれ殴られるかもしれないんですか

みんなで笑

その後すぐに処置ははじまり、思っていたより全然痛くなかった。

私:わあすごい全然痛くなかったです!先生すごい!

お医者さん1:まあこうみえてこいつはこの病院一髄液を痛みなくとるのが上手なんですよ

私:やっぱり!

みんなで笑

たくさん話をきいてくれて優しくておもしろくて若いイケメンの先生に囲まれて笑いながら、治るかな、がんばろうと思う。

今日から入院。
まさかの事態であった。

はじまりはフワフワした感覚からだった。
なんだろこれ?気のせいかなあ。
それがたしか5月末くらい。
それからどんどんフワフワが強くなりグルグルになる。まっすぐ歩けない。ピントが合わない。車酔いの激しい感じが連日続くようになった。
食べると吐く。食べなくてもお腹がすくと吐く。
これはキツイと思うようになり、でも仕事は休まず通い、週末病院に行ってみた。

めまいの薬と乗り物酔いの薬が処方されたけど、飲んでも全く変わらなかった。また1週間フラフラしながら頑張り、めまいにも詳しい耳鼻科を受診。

働けるくらいだからまあその程度ってことかしらねと言う女医さんにコクリとうなずく。たしかにそうだからうなずくしかない。診察がおわり帰ろうとした時ちょっともう一度みせてと言われた。

指をたてて「目だけで追って」という。しばらく右左上下と動く指を追う。

やっぱりおかしい!今日救急でいける?紹介状書くから。先生は電話で予約を取ってくれる。「救急で診ていただきたい患者さんがいます。たぶん脳神経科がいいと思うんです。おそらく小脳じゃないかと」

それから夫が車で来てくれて、すぐに大学病院に向かった。たくさんの細かい検査とMRIを受け、わたしのめまいの発信場所は小脳とわかり、さっきの耳鼻科の女医さんの判断が正しかったことに驚いた。

それで
昨日から急に入院生活が始まったのだ。
原因が分からないからね、少なくとも3週間は入院になるかなという医師の言葉に耳をうたがう。
さん、しゅうかん、ですか??
健康だけが取り柄の私が!

職場にも連絡。申し訳ない。
1ヶ月もやすんだらもうやめることになるだろうな…

夫が細々といろいろやってくれる。
土曜日の診察も1日がかりだったが、帰ってからもはぶらしやら充電器やら明日持っていくもの、欲しいもの教えてとLINEがきた。
土日の休みがまるつぶれだ。
申し訳ないごめんねってLINEで伝える。
全然だよ。気にしないでと夫。うわ。神だわ。
昔はこんなじゃなかったのに。

日曜日の14時の面会時間に家族みんなで来てくれてワイワイがやがや。ここにこれ入ってるからね。花柄のパンツユニクロで追加しといたよ!爪切りここね?足の爪切れる?切ろうか?図書館の本返しておいたよ!
バッグの中には、さみしくないようにとぬいぐるみが入っていたり朝食のパンにとピーナッツペーストのチューブが入っていたりまえから読みたかったと言ってた本をいれてくれていたり、嬉しくておかしくて笑ってしまう。真面目で不器用な夫が子どもたちにつっこまれてタジタジになっていて、また笑う。
目の前でコントをみているようだ。

大騒ぎして帰ったあと、
娘から夕飯作ったよーの写真。おいしそう!

家族のあたたかさにじんわりとした。
LINEの時代もありがたいなあとつくづく思った。


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