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ミュージカルの発声・声変わり

12月1日は、国際声楽コンクール東京の本選でした。

ミュージカルの部門の高校生。

結果は、1位なしの2位から。

https://ivctokyo.com/.../wp.../uploads/20241201_results.pdf

この部門は、本選は、2曲歌う。

1曲は、日本語、1曲は、多言語。

審査していて、色々思うことは沢山あった。(すごく長文)

【特に声について感じた事】

高校生というスパンは、女性は特に、小学生高学年~中学生ぐらいから、始まった声変わりが、不安定ながらも成長する時期だと思う。

男性の声変わりは、喉頭の変化で、音域がぐっと下がったりで

わかりやすいけど、女性は、地声と、裏声の分離が始まる時期だと考えればよいのかなと思う。

大人の声になっていく段階で、女性の裏声の成長というのは大事な部分だと思うのだけど、

子供の頃から、ミュージカルの勉強をしていて、歌っていると

要するに「子役の歌い方」というのが身についている。

そして、高校生になっても、その声の変化に気が付かず、子供の頃の発声を押し通している人が、今回のコンクールで半分ぐらい見受けられたように思った。

真面目に勉強しているから、一生懸命、ミュージカルの役のことや、表現方法などを駆使して歌っているものの、

子供の声の完成形で、要するに大人の役の歌唱を表現するには限界がある。

どのように聞こえているかというと、どの役も同じ声で、歌っているように聞こえている。表現には、声の響きの変化はとても大事なのだけど。

人間が成長しているのに、なぜ子供の声?と思われるかも知れないが、喉も筋肉で出来ているので、鍛え方で、子供の声が出続ける人もいる。出なくなることで気付く人もいるけど。

では、こういう時期、どのようにしたら、大人の声への成長が出来るのか。どういうレッスンをすればよいのかという質問があったので、私なりのお返事をした。

人間が発声するには、身体全体の筋肉運動をして、肺から息をコントロールして出し、声帯を震わせて、口の中に共鳴が生まれて声になっている。

声帯が変化しているのだから、声を出すための身体つくり、呼吸法、共鳴の研究。あとは、歌うわけだけだから、音楽的な知識、何を表現するのかどう表現するのかの知識など・・・

ミュージカルの歌唱は、色々なことを同時にしなければならない。そもそも自分の「上手く歌えるところだけ」で歌唱が成立するわけではなく、自分じゃなくて、役で居なくちゃなんない、それを表現して、何なら踊りながら歌わないとダメな場合だってある。

だけど、今一度、喉が変化しているときは、自分自身の楽器の成長に目を向けて、クラシックをベースとするような勉強をするとよいのではないかと思う。言葉から離れて、コンコーネの母音歌唱とか、様々な身体とつながる発声法など、

身体を楽器にする、身体を鳴らすという経験は、ミュージカルという舞台上での表現を求められる生の表現方法の世界には、必要ではないかと思う。と。

ちなみに、私は、地声と裏声の分離の後、裏声の成長があって、

地声の成長があって、地声と裏声の音圧が同じぐらいになって、そして、身体の支え方が習得できるようになったら、ミックスボイスで地声と裏声がつながって、どの音域も、安定して表現に使えるようになると考えている。すべては、呼吸のコントロールと、それを支える身体の筋肉のコントロールと身体の軸のバランスのとり方が大事だと考えている。

声は、唯一無二の楽器で、あなたの声は、世界で一つ。

考え方次第で、どんな表現にもチャレンジできる楽器を持っていると思う。

最終的には、声は、その人そのものが出るのだと思うけど、

でも、声は無限の可能性を持っているのだと思うところです。

#ミュージカル

#国際声楽コンクール東京

#声変わり

#発声法

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