【書く習慣】DAY9 最近泣いたこと
少し不思議なお話。
ある日曜日。母とランチをしていた。前日までの雨は止み、久しぶりに晴れた気持ちいいの日だった。いつもは混んでいる定食屋さんも空いており、ゆっくりできていた。
他愛もない会話のなかで、ふと祖父母の話題になった。母方の祖父母は健在だ。近くに住んでおり、いつでも会いに行ける。その流れで、ここ数年お墓参りできてないねぇという話になった。そういえばそうだ。
よし、思い立った時に行動すべき。ということで、急遽お墓参りをするという予定ができた。
急だったため、コンビニで線香とライターを購入した。祖父方のお墓は、山の方にある。その道中、とても懐かしい気持ちになった。幼い頃、お墓参りといえば夏休みのイベントだった。蝉の鳴き声、流れる汗、生い茂る緑。鮮明に覚えている。同じく今日も日差しの強い日だ。
そうこうする内に、主要道路から脇道に入り上り坂を進んでいく。見慣れた景色が広がった瞬間だった。何の前触れもなく、涙が込み上げてきたのだ。
助手席に座っていた母も驚いていたが、わたしがいちばん驚いている。ノスタルジックなものではなく、自分の意思に反して涙が流れるという、不思議な感覚だった。それはしばらく止まらなかった。
ようやく車を停めてお墓まで足を運んだ。すると、親戚の誰かが訪れたのだろう。花立にはまだ綺麗な生花が生けられていた。
線香に火をつけ、目を閉じて手を合わせた。涙はもう止まっていた。
「なんか、呼ばれたんかなぁ」
「かもしれんなぁ」
母とそんな言葉を交わした。
霊感というものはないけれど、明確に説明がつかないこともあるのだ。それと同時に「自分がここに存在している理由」を、改めて考えさせられる特別な日になった。
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