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「あくび」について

あくびをするときは、まず寝不足を思いつきます。その他には、疲れたとき、退屈なとき、つまらないことを見聞したとき、他人のあくびでおもわず伝染したとき等々がありました。

脳梗塞、偏頭痛、糖尿病、睡眠障害、貧血といった病気が潜んでいることがあるので、頻繁に生あくびがでる場合は気を付ける必要があるでしょう。

フランス哲学者アランは、あくびを次のように分析しています。

あくびは、イライラや退屈といった日常的に伝染性のある行為に対する、やはり伝染性のある対処法である。 あくびが病気のように人から人へと伝染するのを、不思議に思う人がいる。わたしが思うに、病気のように伝染するのは、むしろ深刻さや慎重さ、心配そうそうな態度である。 反対にあくびは、命の叫び、言うなれば健康を回復することであり、深刻な状況への拒絶反応のあらわれである。いわば、無頓着さを思い切り宣言しているようなものだ。それはだれもが待ち望んでいた合図、隊列への解散の合図のようなもの。この安らぎ感は抑えようがない。どんな深刻な状況であっても、最終的にはあくびをすることにいたるのである。

アラン. アランの幸福論 Propos sur le bonheur (p.68). 株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン. Kindle 版.

アランによれば、あくびとは、深刻な状況への拒絶反応であるということなのです。むしろ、深刻な状況のときこそ、あくびをすることになる、と言うのです。これまで、こうした認識は無かったが、今後検証してみます。

もう一つ、アランはあくびについて述べています。

あくびは疲れた証拠ではない。内臓のすみずみに空気を送り込むこの動きはすなわち、あなたの身体が「気を配ったり議論したりするのは、もうごめんだ」と語っていることなのだ。この活発な改善作業を通じて自然の姿が伝えているのは、生きているのだけで満足である、考えるのは飽きたということなのである。

アラン. アランの幸福論 Propos sur le bonheur (p.67). 株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン. Kindle 版.

こうした分析ならば、しっくりと納得ができます。

その他、気功を行う前に、あくびをすることを習慣づけるというものもありました。

両足を肩幅に開き、大地にしっかりと足をつけて立つ。両手を上げ、深呼吸するように二~三回、大きくあくびをする。最初のうちは、意識してあくびをするだけでかまわない。そのうち自然に出るようになる。

苫米地英人. 夢が勝手にかなう「気功」洗脳術: 脳科学から見た「気功」の正体 (p.63). Kindle 版.

気功するには、まず精神を集中することが必要となるので、その前に、あくびをするというわけです。あくびすることによってリラックスできるということでしょうか。達人になると、自然にあくびがでるというのは驚きです。

最近、散歩中に般若心経を唱えていると、あくびがでることが度々あり、眠いわけでもないのに、どうしたことなんだろうと調べてみると、色々なことがあることが分かりました。




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