デルザー軍団に学ぶ最小リソースで最大限の結果を残すマネジメント
いきなりだが仮面ライダーストロンガーの話をしたい。
昭和仮面ライダーシリーズの中盤は一話完結のマンネリ回が続く。だが後半になると物語が動きはじめ、次週が気になるような作りになっている。 初代仮面ライダーでいうとショッカーライダー編もそれに当たるのだが、ストロンガーはデルザー軍団編がとても面白い。いや、めちゃくちゃ面白い。
決して有能ではない部下を使って成果物を出すマネジメント
昭和仮面ライダーのなかでストロンガーが一番好きというわけではない。でも昭和仮面ライダーで一番好きなエピソードはデルザー軍団編だ。そのなかでも一番好きなのはデルザー軍団・第二陣のマシーン大元帥、磁石団長、ヨロイ騎士が登場する回だ。
一体彼らの何が好きなのか。強者揃いのデルザー軍団の中でも、さらに強いという鳴り物入りの登場をしたにも関わらず、そんなに強く見えないところだ。そこがなんとも愛おしい。まずここがポイント。まだ先がある。それは昭和仮面ライダーの歴代悪の組織で一位二位を争う戦果を挙げているからだ。
※以下はその一人の磁石団長である(ちょうどいいのがあった)
それはマシーン大元帥の指揮力に尽きる。配下には磁石団長とヨロイ騎士という子分がいる。磁石団長は大口は叩くけどストロンガーとのタイマン勝負になるといつも負けてしまう。ヨロイ騎士もライダーマンは捕まえたものの、仮面ライダー1号のタイマンではボコボコにされる。
それでもだ、彼らはマシーン大元帥の立案した作戦にてV3とライダーマンの生け捕りに成功。また本来の目的であるダム破壊ミッションも達成している。
その後もマシーン大元帥の指揮力は冴え渡る。
内紛を起こしかねないジェネラル・シャドウの意図を組みながらストロンガーと勝負させて、シャドウを始末して且つストロンガーも生け捕りにしている。
三人のライダーを生け捕りにした悪の組織などこれまでにあっただろうか。
ちなみに第37話の「ライダー捕わる! デルザー万才!!」が一番面白い。
部下がミスしても罵倒せずに部下を信じて指示をするボス
特筆すべきは、有限なリソースを効率よく使いながら作戦を立てて成果を出すマシーン大元帥の指揮能力だろう。磁石団長とヨロイ騎士という生命力だけはあるけど、そこまで強くない手駒を使いながら前述の成果を上げるのはすごいの一言だ。
ビジネス的にいうとプロジェクトマネジメント能力に当たると思う。現実社会で言い換えると「タフだけど大してスキルのない部下をうまく使って成果を上げている」のだ。悪の組織だけど、ここは見習いたいところだ。(でも最後はツメが甘いところが出て作戦は失敗するわけだが)
またマシーン大元帥自身もアジトで偉そうに指揮を出すばかりでなく、自身も現場に出向き、体をはって任務を遂行する。また彼も生命力が高いようで、V3キックとライダーキックの直撃を受けても耐えるタフな身体もある。 指揮をしながら自らも手を動かす。現場の苦労も知るプロジェクトマネージャーといったところか。
部下の低スキルはプロジェクトが遅延する理由にならない
デルザー軍団第二陣の彼らが仲間からも恐れられていたのは、3人セットでの作戦遂行能力を指しているのだと思う。 「部下が使えないから」「スキルがないから」と言ってプロジェクトが進まない原因を部下のせいにするのは間違っているとマシーン大元帥が教えてくれる。
今持っている手駒とそのリソースをうまく使えば、昭和仮面ライダー史上最高の成果を残すこともできるのである。ちなみにボスのマシーン大元帥はヘマをした磁石団長やヨロイ騎士を罵倒することはない。彼らの能力を信じて指示を出すのだ。
マシーン大元帥一派が好きな理由は以上だ。
もちろんジェネラル・シャドウも魅力的だが、策士気取りで何か成し遂げたことはあったのだろうか。せいぜいブラックサタンの壊滅ぐらいだろうが、シャドウが何もしなくてもストロンガーの手によってブラックサタンは壊滅しただろう。
限りなるリソースで最大限の成果を残す。マシーン大元帥の指揮を観て、私自身も自分の仕事で成果を残していきたいと思った。
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