香港って奇跡のような街だと思った件
先週末、家族で香港へ2泊3日の弾丸日程で行ってきた。
本当はもっと前に行きたかったのだけど、仕事が忙しかったり、デモがあったり、コロナ禍だったりで実現しなかったのだ。
娘が小さい頃にも2年ほど住んでいたので、今回はすこし里帰りのような旅だった。特に予定は決めず、リニューアルしたスポットの多い中環(セントラル)を歩いてみたり、トラムに乗って香港島の端まで行ってみたり。オープントップバスに乗って、夜の半島側をぐるっと回るツアーにも参加した。
よく考えると乗り物に乗ってばかりだな。
ちょっと残念だったのが円安。
香港ドルで見ると「そんなに高くないじゃん」と思うのだけれど、今や1香港ドルは20円(住んでいた頃は13円〜15円だった)。円に換算した時の価格に躊躇してしまい、ついつい買い控えをしてしまった結果、いま激しく後悔している...。GODの布巾とTシャツ、やっぱりもっと買ってくるんだった。あとお茶と食器類。
一方で満足できたのが食事。日本でも美味しい中華料理は食べられるけど香港の料理はやっぱり違う。潮州料理の茹でて冷ました蟹(香港でしか食べた事ない)や独創的な点心類、ちょっと堅めの麺などなど。どれも美味しかった&香港を感じる味だった。値段は高かったけどね。
もともと変化の早い街だし、もう昔の面影なんてないんじゃないかと思っていたけど、やっぱり香港は香港だった。とにかくたくさんの人が大声で喋りながら歩いている。横断歩道に立つとバネ式の歩行者信号がガチャガチャといい、その後ろをゆっくりとトラムが走っていく。
変わってしまったところもたくさんあるだろうけど、ここに住む人々が作り上げた「香港」という街はそう簡単には変わらないんだな、と感じた旅でもあった。人間が綿密に計画を練ってから作り上げた新都市は暮らしやすいけれど、沸き立つような熱気や魅力というものは、日々の暮らしが積み重なってはじめて出来るのだろう。
数年前の雨傘デモを見た時、香港人が政治に対してあんなに熱くなるなんで...とびっくりしたものだけれど、今回の旅を経てその気持ちがわかった気がする。自分たちが作り上げた奇跡のようなこの街を、勝手に赤く塗り替えられるなんてイヤだよという声だったのかもしれない。
願わくばこのまま粘りに粘って、香港は香港のままでいてほしい。
そんな香港を応援するためにもまた行ってみようと思う(買い物もしないとね)。