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むかしむかしあるところに / #ボケ学会
( #ショートショート 本文:1117文字)
むかしむかしあるところに、仲の良いおじいさんとおばあさんがおりました。二人には子どもがいなかったので、少しさみしい毎日を過ごしていました。
ある日、おばあさんが川で洗濯をしていると、川の上流から大きな桃がどんぶらこっこと流れてきます。おばあさんは、洗濯を手伝おうとあとからやってきたおじいさんと力を合わせて桃を川から引き上げました。そして、その桃を抱えて家に持ち帰りました。洗濯は中止です。
「それにしても、おいしそうな桃じゃのぅ」
「おじいさん。今日のお昼は桃にしましょうね」
「最近は異常気象で果物の価格が高騰してまったく手が出んからのぅ」
「ビタミン不足ですから、桃はうれしいですねぇ」
おばあさんが大きな包丁で桃を切ろうとすると、桃の中から赤ん坊の泣き声が聞こえます。そうっと桃を切ると、中から桃のような男の子が出てきました。もうちょっとで殺人事件になるところでした。
「もももものなななから、あかあかあか……」
「おばあさんや。落ち着きなさい。早口言葉みたいになっとるぞ」
「もももも……すももも……桃も桃だろう……」
「そうじゃな。この子の名前は『桃太郎』にしよう」
「かわいいわね~。神さまがわたしたちに息子をくださったんですねぇ」
「息子というよりは孫かもしれんがのぅ」
おじいさんとおばあさんは桃太郎をとてもとても可愛がりました。桃太郎は心も身体もすくすくと成長しました。
桃太郎が18歳で成人したとき、おじいさんとおばあさんは、桃太郎を拾ったときよりも、さらにおじいさんとおばあさんになっていました。働くこともできず、年金だけで生活するには経済的に心許なくなっていました。
桃太郎は海外で商売をして、おじいさんとおばあさんに恩返しをしようと思い立ちました。
「おじいさん、おばあさん。ぼくは鬼が島に行って商売をしてお金を稼いできます。待っててください」という桃太郎に、おばあさんは吉備団子を作って持たせました。
桃太郎は旅の途中でキジとサルとイヌをパーティに加えました。契約金はもちろんおばあさんの吉備団子です。ケンケン、キャッキャ、ワンワンととてもにぎやかな旅になりました。
鬼ヶ島に渡った桃太郎一行は、赤ら顔をした体格の良い外国人たちと身振り手振りで交渉を行い、おばあさんの吉備団子を独占販売する契約を取り付けました。
桃太郎は手付金をどっさり受け取り、おじいさん、おばあさんのところに帰ってきました。三人はおばあさんの作る吉備団子を量産して鬼ヶ島へ輸出し、当時の円安も相まって、その売り上げで裕福に暮らしました。
なお、キジは通信員として宣伝記事を書いて桃太郎商店に貢献しましたが、サルは去り、イヌは居なくなってしまったそうな。
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主宰: #ボーンさん
企画: #ボケ学会
お題: #昔話
では、今日はこのへんで。
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