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Photo by
yzengo
敬慕の光景 / #青ブラ文学部
( #ショートショート 本文:510字)
謦咳に接した記憶——。
それは小学2年ときの担任、S先生から受けた毎日の授業だった。
先生は静かな威厳を漂わせていた。彼女の知識の宝庫から漏れ出す言葉は、時空を超えた智慧の光芒のごとく私の未熟な心を貫いた。
彼女の授業は、ただの勉学を超越し、思索の航海へと誘う舞台であった。歴史の細部を詩的に織り成し、自然界の奇妙を哲学的に紐解く様に、私は人智を遥かに超えた新たな視界を見出した。その授業が与えてくれた精神的な渇望の探究心は、今なお我が心に熱く燃え続けるのである。
音楽の時間、教室の静寂が、先生の指導に彩られた。彼女の歌声はまるで音符たちを舞台の上で踊る魔法の靴のようだった。私はその旋律に合わせて懸命に心を込めて歌った。
彼女の目が私を捉えた。彼女は歩み寄り、優雅に微笑んで「ちゃんと歌って」と、先生は穏やかに、しかし確固たる意志を込めて言った。その言葉は、私の心に深く響いた。私はそのとき、先生の教えを誤って受け取っていたことを理解した。
謦咳に接した記憶——。
それは私がまだ幼い小学2年生のときの記憶だ。先生は今も健やかに過ごされているだろうか。
昨年の素晴らしい日々を懐かしみ、私は感慨にふける。
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中島くんが先生の授業を受けている様子はこちら。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。です。
こちらの企画に参加しています。
よろしくお願いします。
主宰: #山根あきらさん
企画: #青ブラ文学部
お題: #謦咳に接した記憶
「謦咳に接する」は、尊敬する人の話を直接聞く、という意味です。
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では、今日はこのへんで。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。
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