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『はなのわミーティング』
東神楽町地域おこし協力隊の松江です。
今年の春、東神楽町複合施設「はなのわ」が完成しました。
藤本壮介さんデザインの円形回廊が特徴的なこの庁舎は、東西南北いずれからも出入りが可能です。
「花のまち東神楽」と言われるようになってから久しいですが
「まちの人たちはどのように『花のまち』を楽しもうとしているのか」
「花」にかかわる方々に率直なお考えをお聞きしてみたいと思い
シンボルガーデンが眺められる庁舎1階のカフェスペースをお借りして
東神楽町について対話する「はなのわミーティング」を企画しました。
お集まりいただいたのは、何らかの形で「花」に関わっていらっしゃる
東神楽町にお住いの10名の方です。
【前半】レゴブロックを使ったアイスブレイク
会場は「はじめまして」や「何をするの?」でちょっと緊張気味の空気。
ここで、すこし頭の柔軟体操・・・
同僚協力隊である関矢隊員のファシリテーションのもと「ダッグチャレンジ」スタート。
「アヒルをつくってみましょう!」
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配られたブロックのパーツを駆使して
思い思いのアヒルを作り上げていきます。
みんなアヒルを作ったはずなのに、どれ一つとして同じ姿形は
していません。見方、感じ方、表し方・・・
人それぞれ違ってよいんですよね。
「久しぶりにブロックに触れたわ」という方も感触を懐かしむ反面、更に緊張してしまったという方も。
【フリーコーヒー出動】
Breaktimeでは
野添隊員が『ドリップ係』渡邊隊員が『ミル係』でご協力をいただき
ワークショップご参加のみなさんへ挽き立てコーヒーを提供。
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【後半】「Local Dialogue」をつかったワークショップ
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レゴブロックで少し脳の準備体操を終えたところで、松江にファシリテーターを変わってワークショップをスタート。
5人ずつの2テーブルに分かれて「花のまち東神楽」について考えていくのですが、この「まちについて考える」作業は日常の生活ではほとんどないこと。とっても脳に汗をかくんです。
そこで、「まちの姿」を一緒にイメージしやすくするために、行政のアンケートをもとに製作された『Local Dialogue』というカードを使っていきます。
『Local Dialogue』は地域の特性を活かし、活き活きとして心地のよい町づくりを考えるツールです。
「まちウェルビーイング」を視点に、自分たちが住みたい、暮らしたいまちの姿(目標)を設定したうえでカードを用いて対話しながらまちの現状をを可視化し、個々の視点から町の特色を再発見していきます。
ウェルビーイング(Well-being)とは身体的、精神的、社会的に良好な状態(コンディション)のこと。居心地のよいまちづくりを考えるために、このカードゲームでは町の幸せ・住民の幸せの2つの視点を合わせて「まちのウェルビーイング」と定義しています。
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カードに書かれている問いに、それぞれが「YES」「NO」を決め、なぜそれを選んだかを説明しながら対話が進んでいきます。
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ABチームともに「NO」とお答えになったのが以下の項目でした。
【行政と住民との連携度】
・行政や町の取り組みに何らかの形で参画している人が多い。
・行政と地域で情報共有が図られ、地域の課題解決につながる取組がすすんでいる。
⇒(行政が)どこをむいているか、よくわからない。
⇒知ろうとするスタンスも必要
【地域間の繋がり度】
・住んでいる地域をより良くしたり、盛り上げたりする活動に参加している人が多い。
⇒身近にはいるけれども、町全体となると多くないのでは。
【産業(働き方・暮らし)】
・住んでいる地域は、仕事や社会生活を含め、自分の持っている知識や技術を十分に発揮できる機会がある。
⇒働く場所はないよね。
⇒自分の活動を知ってもらう機会や場がない。
【文化・芸術・歴史】
・地域の文化・芸術活動が社会全体で守られ、活用されていると思う。
⇒知ってはいるが、社会全体で守られてはないかもしれない。
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「住みやすさ」「暮らしやすさ」を感じるまちを持続していくには、
この「NO」で可視化された課題がキーになりそうです。
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60年以上の「花」を通した取り組みがなされてきた結果
「花のまち東神楽」となり、今年庁舎前に大規模なシンボルガーデンが完成しました。
東神楽町の魅力と課題を参加者でシェアできたところで
「住みよいまち」を持続していくための一つとして
このまちを楽しむ方法・・・
「花のまち東神楽で花とガーデンを楽しむには」
というお題を皆さんに考えていただき、アイディアや要望などを
付箋でブレストしてもらいました。
・ガーデンでピクニックがしたい
・ガーデンのハーブでハーブティーやハーバリウムを楽しむ会
・本を静かに読める場所をつくってほしい
・産業と雇用の創出
・アートや写真を楽しめるガーデン
・フォトコンテストなどをやったら?
などなど・・・
こういった要望を、それぞれが出しながら参加者同士で
「そういうことやれたらいいね」「私もそう思う」
と共感しながら今回のミーティングを終えました。
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次回『はなのわミーティング』開催の際は
みなさんのアイディアや要望をどうやって実現していくかを話し合うことができたらと考えています。
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なぜ『花のまち東神楽』
1958年ころ、まだ農村地帯だった東神楽町に多くいた「ハエ」を無くそうという考えから美化活動がはじまりました。
こういった活動が発展し、「花いっぱい運動」が町内外に広く知れ渡ったことろから「花のまち」と呼ばれるようになったようです。
「花」をとおした活動が人と人とをつなぎ、交流することで笑顔が増えていきました。昔の取り組みを知ると
先人たちが目指した「住みよい東神楽」こそが「花のまち東神楽」なのではと思います。
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