革の登山靴をメンテナンスする(ビーズエイジングオイル)
革の登山靴のケア用品といえばコロニルのアクティブレザーワックスが有名ですが、そればかりでは面白くないので違うものを試してみたくなるのがマニアの生態。そんなわけで今回追加したのはエムモウブレイの「ビーズエイジングオイル」
オイルレザーが使われたアウトドアシューズやワークブーツへの使用に適す、とのことでレザーワックスと同じ系統の製品です。
エムモウブレイは日本のシューケアメーカーR&D社が展開するブランドのひとつで、日本メーカーながらヨーロッパ製法で各種ケア用品を生産、販売しています。今回購入したビーズエイジングオイルもドイツの工場で生産されているとのこと
東急ハンズのシューケアマイスターの方のお話では日本のシューケアは革に色を重ねる文化、ヨーロッパは革に色を浸透させる文化、ということでエムモウブレイはヨーロッパらしい天然成分が多く含まれた革への浸透の良い製品を扱っています。
ヨーロッパのメーカーであるコロニル(独)やサフィール(仏)の製品は靴クリーム特有のツンとした溶剤の匂いが少なく、日本のコロンブスやジュエルといったメーカーは強い溶剤の匂いを感じます。エムモウブレイの製品は日本のメーカーながら溶剤の匂いが控えめ。そんなところもヨーロッパの製法及びヨーロッパの工場で生産している証なのかもしれません。全ての製品がヨーロッパで生産しているわけではなく、クリーナーやスプレーは日本の工場で作っているそうで、クリーム系がヨーロッパ。スプレー系は日本で生産となっているようです。
前置きが長くなりましたが、ここからはコロニルのレザーワックスと適宜比較しながらビーズエイジングオイルをレビューしたいと思います
ビーズエイジングオイルの主成分はミツロウ(ビーワックス)、有機溶剤で90%が天然成分で構成されているそうです。ミツロウ以外の成分については記載ありませんが何らかのオイル(油分)が添加されていると予想できます。香りはハチミツのような甘い香りで溶剤系の匂いは感じません。
レザーワックスの主成分はオリーブオイル。それに各種ワックスと有機溶剤が添加されているとのこと。こちらも天然成分が豊富で、香りも植物系オイルの匂いで溶剤系のツンとした香りはありません。
ビーズエイジングオイルのテクスチャ(←通っぽい言い方)は固めですが指に取ると体温で柔らかくなり用意に塗り伸ばすことができます。このあたりはレザーワックスも同様。しかしビーズエイジングオイルの方がオイル分が控えめでさっぱりした感触です
そんなわけで登山靴に塗り込んでいきたいと思います!
伸びが良いので簡単に塗り広げることができました。塗布した直後はオイルらしいテラテラとした雰囲気。コロニルのシュプリームクリームやモウブレイのデリケートクリームのようにすぐに浸透はせず、革の上にとどまっているような感じです。これはコロニルのレザーワックスと同様。しかしレザーワックスに比べるとベタつく感じは少ないように思います
20分ほど時間をおくと革にオイル分が浸透し表面はサラサラとしてきます。その後豚毛ブラシでブラッシングし、クロスで乾拭きをして浸透しきらなかったオイルを拭き取りお手入れは完了です。
塗布直後のテラテラした感じはなくなり、自然なツヤが出ました。レザーワックスはもう少しオイル感があるのですが、ビーズエイジングオイルはあっさり目。ベタついた雰囲気はなくすっきりした仕上がりです
保革効果としてはレザーワックスは油分豊富なためか革の軟化作用がかなりあるのですが、ビーズエイジングオイルはそれも控え目。ただ効果がないわけではなく、軟化しすぎて型崩れが起きないようなちょうど良い案配です。繰り返し塗布するのならビーズエイジングオイルの方が革の軟化作用が控え目な分向いているように思います
塗布することによる防水効果についてはさほど違いは感じませんが、油分が多い分気持ちレザーワックスの方が高いような気がします
個人的な感想としてレザーワックスは軟化作用が強いことが気になるため、軟化作用が控えめながらしっかり保革ができるビーズエイジングオイルの方が使いやすいと感じています。よって私としては革の登山靴にビーズエイジングオイルは「あり」です
メンテナンスグッズはいろいろなメーカーがそれぞれの技術で開発しているので、もっとよい品がないかこれからも試していきたいですね!
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?