読書メモ「おいしいごはんが食べられますように」
おいしいごはんが食べられますように
・講談社
・高瀬 隼子
・2022年3月
・芥川賞受賞
どこにでもあるようなオフィスを舞台に、主人公の独身男性社員を中心に、「食べる」を織り交ぜながら、人間模様が描かれていく。
表向きは笑顔でも、その裏にひそむネガな感情。食に興味を見いだせない主人公と料理大好きな女性社員。嫉妬や苛立ちの感情を抱くもう一人の女性社員。この3人を中心に物語は展開する。
「食べる」を象徴的なテーマに設定し、いつまでも横たわる価値観の違いを、登場人物が抱く負の感情も含めて丁寧に描写されていく。
「本音と建て前」。人間が持つ内面の恐ろしさを再認識する作品だった。
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