☆2.「自分には価値がない」と悩んで気付いたこと。
おはようございます。
最近休日に下駄を履く生活を送るようになり、街がこんなにも歩きにくいのかと驚いているJUNKIです。
下駄の鬼門は下り坂。板が滑って鼻緒に全体重が襲ってくるので、歩道の切れ目のちょっとした坂みたいなやつが一番手強いです。点字ブロックも強敵。靴社会(靴社会?)に適応しているのですから当たり前なのかもしれませんが、ヒールの方もきっとものすごく歩きにくい社会なのかもしれないと思った三連休でした。
話がそれました。
今回は「自分に価値がない」という悩みについて書いてみたいと思います。
昨今のSNSによって、世界のスーパースターと自分がSNSで同列に並ぶというとんでもない社会がやってきました。憧れの人がより身近に感じられるようになった反面、「比べる相手が広がった」ことによって自らに価値を見出せなくなる人が後を絶たないのも現実です。
SNSが普及する前、テレビの向こうは「別世界」でした。比べる相手は近所の人たちであり、言うなれば「村社会」の中で似たような人たちが比べ合う小さな社会で生きていたわけです。
そこで一番に立つこともそうそう容易ではないかもしれませんが、今はそのレベルが違う。
SNS社会で比べる相手は、世界中のインスタグラマーであり、Youtuberであり、フォロワー数が億を超える人たちをアプリひとつですぐに見られるようになりました。SNSは世界が広いことを教えてくれるという意味では大きな功績もあります。しかし同時に、比べる相手のレベルが上がってしまったというマイナス面も隠せません。"クラスで一番可愛い"がステータスにならないどころか、自分のちっぽけさを強調してしまうことにすらなっているでしょう。
そんな時代において、「自分に価値がない」と悩んでしまうことは、ある意味必然というか、「自分が思ってるより普通のこと」なんだと思います。
ここまで読んでくれた人の中にはそろそろ、
「人と比べちゃダメ。比べるのは自分自身!」
と言いたくなってる人がいるでしょう。
もちろんそれが正しいと思います。過去の自分と比べて「今の自分が過去イチ」であればそれが一番ですし、最終的にはそこに辿り着いてほしい。実際に挑戦している最中であれば悩んでいる暇はありません。生まれた時から全てが不平等な人間社会において唯一平等である「時間」を、こんなことに浪費するなんて一番やっちゃいけないことだと思うんです。
ただ、それで解決するならこんな記事を読まないと思うんですよ。
どうしても人と比べてしまう。だから悩んでしまう。
私は教師でしたが、教師という仕事は厄介です。子供達より優位な立場にありながら、「教師という肩書きがなければ見向きもされない。その程度の存在でしかない」と現実を叩きつけられますから。卒業式の日はいつも、人気の先生のもとに集まるたくさんの生徒たちを見ながら壁の花になるばかりでした。それは嫉妬もしましたし、やっぱり私はその程度かと諦めたフリをして傷を舐める自分がいた。
だから、「自分には価値がない」と思い込んでしまう、悩んでしまうことを、私は否定することができません。悩まない方がいいに決まっています。ですがどうしても他人と比べる癖は抜け切らないし、少なくとも言われてすぐに切り替えられるなら、優しい言葉の自己啓発本があんなに書店に並ぶはずがないんです。だから「自分と比べろ」が現時点でアドバイスにならない人に向けてこれを書いています。
ただ、ただね。私はあるとき思ったんですよ。
「自分に価値がない」「どうしても他者と比べてしまう」
のであれば、
「自分は他者のいいところをたくさん見つけられるはずでは?」
と。
自分にないものを持つ他者を見て悩めるのなら、「他者が持っている自分にないもの」を見つけることはできるはずで、つまり、「自分に価値がないことを証明するためには、他者のいいところをたくさん見つければいい」という発想に至ったのです。もはやポジティブなのかネガティブなのかよくわかりません笑
この発見、何が大きいかって、「自分が自分に嘘をついている」ことを見事にバラしてくれるんですよ。というのも、相手の魅力を見つけられないのならば、『自分に価値がない』と言いながらまだ自分に価値があると思い込んでいるということだから。それってめちゃくちゃ痛いじゃないですか。この観点に気付いた時に、私はこれにだけはなりたくない!って思ったんですよね。
それからは、つとめて他者のいいところを見つけては伝え、見つけては伝えていくようにしました。幸いにも教職の身だったので、見つけて伝える相手に事欠かなかった。気づくたびに伝え続けました。ただ、相手も相手で思春期の中高生ですから、ま〜〜〜受け取ってもらえない笑
でも言い続けました。学校の先生というものはどうしても子供の話を聞かない生き物です。私に話してくれる子はごく少数でしたが、せめてその子たちの心の叫びは受け止めたいし、その中にチラチラと輝くものを見つけたかった。
ぶっちゃけた話、ここだけは誰にも負けたくないと思えました。
「自分に価値がない」ことを証明するためには、他者のいいところを無限に見つけることが必須条件。誰一人として同じ人はいないわけですから、必然的に伝える言葉も全員変えていきますが、あっという間に言葉が足りなくなり、本を読むようになりました。最初は近しいと思える人におすすめを聞いて回ってそれを読み漁り、だんだん聞ける相手がいなくなる頃には、自分から本屋さんに通って本を手にとるようになっていきました。そうして新しい言葉や考え方に触れて、また違う角度から魅力を見つけることができるようになり、何より本を読む習慣が身につきました。
そして大人から「自己啓発みたい」と揶揄されるようになりました笑
ですが、人は似たような人と出会うようにできているもので。
たくさん見つけて声をかけていくことである程度自信がついた矢先に、私はもっと優しく温かい視点を持つ人たちと出会います。それは新しく出会った人でもあり、昔一緒に活動していた人との再会でもありました。私は演劇方面で活動していますが、その中で演技に対するリアクションが早いうえに的確に捉え、かつ芯のある優しい言葉選びで伝えているんです。
私はまだまだだと思いました。いやもっとできるはずだと燃えるものを感じたと同時に、「この人たちのために何かできないか」とも考えるようになりました。言葉数も視点も瞬発力も、何もかもがまだまだ足りないと気付いて、より読書に身が入るようになりました。
……話がそれました。
「自分に価値がない」
そう思って苦しんでいる人がいたら、仲間ですね。これからはぜひ、
「他人のいいところを見つけて伝えまくる」
というのを選択肢の一つにしてみてください。
他人の魅力で自分を傷つけるのではなく、「あなたは自分にないものを持っている」と伝えるんです。ただし褒めてはいけません。褒めるというのは上から目線の行為です。あくまでも「伝える」だけ。
個人的に気をつけたのは、相手の"行動"が素敵であると伝えること。たとえ相手が全身タイツであっても変わらない魅力を見つけるのがポイントです。
最初は相手にされないかもしれません。でもいいじゃないですか。自分に価値がないと悩んでいるということは、もともとそんなに相手にされていないんだから笑 後ろ向きな思考が治らないなら、自分の価値のなさを証明するために行動しましょう。最初はそれでもいいと思うんです。できることからやるのが一番ですから。モテたくてギターを始めるのと一緒です。
伝えるときは言葉で伝えてもいいですし、私は手紙も書きました。お世話になった人や施設に、見に行った演劇の大会で感激した学校さんに、学校を辞める時には演劇部員一人一人に。おかげで84円切手とお友達になったので、切手が値上がりした時はこのやろうと思ったのは内緒です。(めちゃくちゃ交換しました)
手紙にせよ言葉にせよ、なんだかんだ一方的に送っているわけですから、一定の割合で「ありがた迷惑」だと思われているでしょう。それでいいと思います。だって目的は「相手のいいところを見つける」ことであって、その言葉を受け止めてもらうことではありませんから。
でももしその中でひとりでも、それらの言葉が勇気に変わったとしたら。そのことを感謝されようものなら。
その瞬間あなたは「自分に価値がない」なんて言えなくなります。
だって、人を動かしちゃったんだもん。「影響を与える」って、そういうことですよね。他人に影響を与える人が価値がないなんてこと、ないですよね。
……まとめます。
「自分には価値がない」が本当なら、「他人の魅力をたくさん見つけられる」はず。だからそれを見つけて、伝え続けよう。
他人の魅力を見つけることができないなら、「自分に価値があるとまだ思っている=自分が嘘をついている」証になる。だから「自分には価値がない」と言ったら嘘になる。
他人の魅力をたくさん見つけて伝えた結果、感謝されたり、その人の人生が大きく変わったりしたら、あなたは「自分には価値がない」と言えなくなる。
それでももし「自分には価値がない」と思ってしまうなら、「他人の魅力をたくさん見つけられる」はず。だからもっと見つけて伝えていけばいい。
このループに乗せていきましょう。どのように転んでも、悪いようにはなりませんから。それに、いいところを伝え続けるような人を、自分にあったかい言葉をくれる人を、あなたは放っておきますか?
……とはいえ、私もこれを証明している途中なんですけどね。
一緒に旅をしましょう。人のいいところを見つけて伝える、宝探しの旅を。
ここまで読んでくださった皆様に、素敵な朝日が昇りますように。
……
12月15日(日)10:00〜17:00、大宮にて朗読劇ワークショップを行います。
その日集まったメンバーで身体を動かしたり、簡単なゲームをしたり、セリフを読み合ったりします。そうした活動の中で、誰かの素敵なところをたくさん発見し合い、伝え合いましょうというワークショップです。中学生以上であれば誰でも参加OK。目の前にいる人のいいところを見つけるのは宝探しみたいで楽しいですよ!
参加申し込みはこちらのフォームから!
……