マタハラ予防
マタニティーハラスメント(マタハラ)に関する以前のヒヨリンの調査では、
マタハラに関する意識を検討しました(日吉, 2018)。
その調査結果より、マタハラ予防をどうすればいいか?を検討します。
看護師は多職種よりマタハラが多い環境。
是非とも、この調査から打開案を模索したいです。
調査は企業の管理職を被験者として、Webでアンケート調査を行いました。被験者は300名。
被験者の平均年齢は43.9(±9.8歳)、男性233名(77.7%)、女性67名(22.3%)でした。就労妊婦に対するマタハラに関する意識項目は、これまで報告された事例を元に質問項目を作成し、因子分析を行いました。その結果、
「就労妊婦に対する不公平感」
「古い価値観」
「先進的価値観」
の3因子が抽出されました。
マタハラ意識の中でも「就労妊婦に対する不公平感」「古い価値観」は被験者の疲労感と正の相関がみられました。また子供がいないものは子どもがいるものと比較し、就労妊婦に対するマタハラ意識(「就労妊婦に対する不公平感」「古い価値観」)が有意に高かったです。就業環境では、代替要員がいないこと、有給休暇が自由に取得できないことがマタハラ意識(「就労妊婦に対する不公平感」「古い価値観」)と関連していました。
この調査から、「就労妊婦に対する不公平感」「古い価値観」は被験者(管理者)の疲労感と関連していたことより、被験者の職場環境が疲労する状況である可能性があることが伺えまました。つまり、被験者(管理者)が十分体を休める状況であれば、妊婦に対する不公平感が低減する可能性はあり、予防に繋がると考えられます。つまり職場環境の改善がマタハラ予防の重要項目となり得ます。また妊婦の代替要員がすぐにあること、有給が自由に取得できることも予防に重要であると考えられました。
それでは、看護師の職場ではどうでしょうか?
管理職も体調が悪い場合が多く、
代替要員はほぼありません。
有給は皆で譲りあって取っている状況です。
この調査の結果からもマタハラ意識が出やすい職場環境であるといえるでしょう。
看護師のマタハラ予防には、
代替要員がすぐにあり、不公平感を産まないように
他の職員が仕事をカバーした場合は給与に反映させるなどの
工夫が必要でしょう。