プーチンとダリス・ザックレー

ロシアがウクライナに侵攻した

私の中では違和感があったのは
ロシアもウクライナも同じ国に
感じていたからだろう

ソビエト連邦共和国
1922年から1991年までユーラシア大陸北部に
存在した社会主義国家
名目上は複数の共和国からなる
連邦国家であったが、
実際には末期まで高度に中央集権的な
政治・経済が行われていた
1990年以前はソビエト連邦共産党による
一党独裁国家であり、
最大かつ最も人口の多い共和国である
ロシア内のモスクワを首都とした

1917年にウラジーミル・レーニン率いる
ボリシェヴィキがロシア帝国を置き換える形で
成立した臨時政府を打倒した十月革命を
起源とする

1922年12月30日にロシア、南コーカサス、
ウクライナ、ベラルーシを
統合したソビエト連邦(以下ソ連)が成立した

1991年8月、共産党の強硬派による
クーデターが発生したが、
ロシア共和国大統領エリツィンを中心に
阻止され、失敗に終わった
その結果、共産党への信頼は失墜し、
ロシアとウクライナを中心とする
共和国が独立を宣言した

わたしは理系なので私の中のロシアは
学習したのはソ連までかも知れない

ベルリンの壁崩壊〜ソ連崩壊
東ヨーロッパは激動の時代だった
同じ時代に生きていたが
どこか遠い国の話でしかなかった

その当時に一番記憶に残っているのは
ベルリンの壁でもレーニン像でもなく
湾岸戦争かも知れないが
それもテレビの中の話だ

湾岸戦争
1990年8月2日のイラクによる
クウェート侵攻をきっかけに、
国際連合が多国籍軍(連合軍)の派遣を決定し、
1991年1月17日にイラクを空爆して始まった
戦争である

アメリカは「有志を募る」という形での
多国籍軍での攻撃を決め、
アメリカの同盟国かつクウェートと
歴史的につながりの深い
イギリスやフランスなどもこれに続いた

先日、なにげなくテレビから流れてきた
プーチンの心境解説。。。

それを聞き〝ある人物〟が思い浮かんだ

〝ある人物〟とは実在の人物ではない
『進撃の巨人』でてくるダリス・ザックレーだ

ダリス・ザックレーは王政府に忠誠を誓い
憲兵団、駐屯兵団、調査兵団の3つの兵団を
束ねる総統である 

しかし

ザックレーは、エルヴィンたちが企てた
王政へのクーデターに加担する事になる

エルヴィンに
『何故クーデターに加担したのか?』
を訊ねられたザックレーの答えは

『私がなぜ王に銃を向けたのか?』

『昔っから王政(ヤツら)が
 気にくわなかったからだ』

『人生を捧げてヤツらの忠実な犬に徹し
 この地位に登りつめた』

『君らがやらなくても
 私がくたばる前に
 いっちょかましてやるつもりだった』

『私は この革命が
 人類にとって良いか悪いかなどには
 興味がない』

『わたしも大した悪党だろう』

ザックレーはなかなかの悪人だw
そして野心家であり成り上がりである


プーチンの経歴を調べた

プーチンは
活動に熱心な共産党員の無神論者である父と
工場で働く信仰心が深いロシア正教徒だった母の間に産まれた
家庭環境はザックレー同様、あまり裕福で無く
少年時代はレニングラードの共同アパートで
過ごしている

10代の頃、プーチンは
『The shield and the sword (盾と剣)』の
小説と映画にはまっていた
ナチス転覆を助ける勇敢なソ連のスパイが
主人公の物語だ

後に、プーチンは
「1人のスパイが何千人もの人々の運命を
 決定付けていく」姿に感銘を受けたと語っている

プーチンはソ連国家保安委員会(KGB)への
就職を考え14歳の時にKGB支部を訪問し
応対した職員にどうすればKGBに就職できるのか
質問したらしい

職員は少年の質問にきわめて真率に対応し

・KGBは自ら志願してきた者を絶対に
   採用しないため今後は自分からKGBに
   コンタクトしてはならないこと

・大学の専攻は法学部が有利であること

・言動や思想的な問題点があってはならないこと

・スポーツの実績は対象者の選考で
   有利に働くこと

などの現実的な助言を与えたという

プーチン少年は以後
そのアドバイスを忠実に守り柔道に打ち込み
レニングラード大学では法学部を選択し
在学中も自分からはKGBに接触しなかった

大学4年次にKGBからのリクルートを受け
プーチンは1975年に同大学を卒業後
KGBへ就職した

そして外国で諜報活動を行うために
KGB赤旗大学で学び
1985年に東ドイツのドレスデンへと派遣される
東ドイツには1990年まで滞在し
政治関係の情報を集める諜報活動に従事したと
プーチン自身は語っている

プーチンがKGBへ出した辞表は
ソ連8月クーデターの翌日受理されている

その後、プーチンは政治の道に進み
2000年3月26日ロシア連邦大統領選挙にて
過半数の得票を受けて大統領に当選し
2000年5月7日第2代ロシア連邦大統領に就任した

プーチンは就任以降
圧倒的な国民支持率を誇っている
常に60%台で推移し88%まであがった事もある
それが2014年クリミア半島を併合した後だ

昨年の12月に行なわれた
ロシア国民の世論調査では
今回のウクライナとロシア間の緊張を
高めたのは原因として
アメリカやNATO諸国など 50%
ウクライナ 16% に対して
自国であるロシアに責任があるとしたのは
たったの4%にとどまっていた 

ここで気になるのは
アメリカやNATOと書かれている事

NATO、、、さすがに私でも聞いた事は有る
北大西洋条約機構

NATO:North Atlantic Treaty Organization

北大西洋条約機構は「集団防衛」、「危機管理」及び
「協調的安全保障」の三つを中核的任務としており
加盟国の領土及び国民を防衛することが
最大の責務としている

画像1

この地図を見るとアメリカが
単体で扱われる理由がわかる
アメリカは対岸、大西洋の向こう側なのだ
しかもアメリカとロシアは冷戦以来
ずっと敵対的な関係にある

もともとNATOは第二次大戦後
アメリカやイギリスが主体となり
ソ連を中心とする共産圏(東側諸国)に 
対抗するため1944年に締結された
北大西洋条約により誕生した
西側陣営の多国間軍事同盟である

それに対抗してソ連と東欧8カ国が
1955年に結んだ軍事同盟が
ワルシャワ条約機構である

しかし、ワルシャワ条約の方は
1989年の冷戦終結に伴い東欧革命が始まり
1991年に軍事機構を廃止・正式解散している

一方のNATOは現在にいたるまで
東側に拡大し続けている

アメリカの軍事同盟としてNATOを見た場合
ベラルーシやウクライナは
アメリカ側との緩衝地帯と言える
その緩衝地帯であるウクライナが
NATOにつくとなれば
ロシアが黙っていられなくなる

NATOはドイツ統合の条件として
1インチも東に拡大しない
約束しているとロシアは主張している

ダリス・ザックレーの
『昔っから王政(ヤツら)が
 気にくわなかったからだ』
というセリフをプーチンの心情に当てはめると
〝ヤツら〟はNATOでありアメリカだ
と言うか、、、アメリカがメインだろう

私も自国以外で戦争ばかりする
アメリカのやり方は昔から気にくわなかった

アメリカによる軍事展開は
150以上の国で行われている

戦後77年も経過した現在でも
日本には米軍がある

もちろん日本国内には、
係争中の領土(竹島、北方領土等)を除き
米軍以外に駐留する外国軍は存在しない

アメリカの軍事拠点はNATO諸国にもある
隣国がNATOに加盟すればそこに
アメリカの軍事拠点ができる可能性がでる
ロシアにとって脅威以外の何者でなく
死活問題
なのだ

『人生を捧げてヤツらの忠実な犬に徹し
 この地位に登りつめた』
とダリス・ザックレーは語っているが

プーチンもアメリカに対し誠実に対応してきた

過去30年間、我々はNATOの主要国との間で
欧州における対等かつ不可分の安全保障の
原則について、辛抱強く合意を形成しよう
してきたのは事実である

私たちの提案に対して、私たちはいつも、
皮肉なごまかしや嘘、
あるいは圧力や恐喝の試みに直面し、
北大西洋同盟は私たちの抗議や懸念に
もかかわらず拡大し続けたのである

とウクライナへの宣戦布告演説で語った

ソ連邦の崩壊後、
新しい近代ロシアの前例のない開放性、
米国や他の西側パートナーとの
誠実な協力の用意、
実質的に一方的な軍縮(を行なった)

とも演説では語っている

全文を訳しているnoteがあったので貼っておく


実際にプーチンは2001年9月11日の
アメリカ同時多発テロ以来
テロとの戦いにおいて
アメリカとの協調姿勢を見せた
同時多発テロ後に米軍がアフガニスタンに
侵攻を行う際にはロシア国内の保守派からの
反発があったにもかかわらず
テレビ演説でかつてソビエト連邦を構成していた
中央アジア諸国にアメリカ軍の駐留を認めることや
その他の具体的協力を掲げる
「対米協力五項目」を謳って
アメリカへの支援を行った

プーチンが『戦争を望んでいない』
というのは事実だろう
敗北こそしなかったが第二次世界大戦で
多大な犠牲を払っているし
NATOと全面戦争すればどうなるか
想像できないほど
プーチンはバカでもないだろう
だからこそ不当に扱われていると思っていても
話し合いを続けてきたし

ウクライナのNATO加盟の問題は
昨今始まった事ではない

では、なぜ今なのか
それはダリス・ザックレーのこの一言に
尽きる気がする

『君らがやらなくても
 私がくたばる前に
 いっちょかましてやるつもりだった』

プーチンももう年齢も年齢で
体調の不具合もあるという話もでている
2020年に大統領の連続任期2期という
法律を改正し36年まで続投を
可能にしてはいたが支持率は落ちていた

その支持率を今回のウクライナ侵攻で
上げるためという見方もあるが
もし世界的な戦争になれば下がる確率の方が強い

しかも

『君らがやらなくても
 私がくたばる前に
 いっちょかましてやるつもりだった』

と言い放ったザックレーほど
プーチンはクレージーな人物ではない

今はもしかしたら
緻密な計画で動いているのかも知れない

しかし

プーチンが思い描いた青写真が狂ってくれば
プーチンが暴走する可能性はなくはない

この文章を調べるのにかなり色々調べた
今まで全く無関心でも無知でものほほんと
暮らせる日本で
政治に〝諦め〟を感じた思春期から
一切投票をした事がなかった
(一度だけ白紙投票した)

最近、株等もやっていないので
あまり世界情勢にも目はいっていなかった
それでも生きれる
なんて平和な日本なのだろうか

日本のテレビを見るとやはり西側の情報だったり
そこに行きつくまでの経緯を組まず
単に目に見える被害者を庇う意見が多い
それこそ弱者を憐れむ優越感さえ感じてしまう

この記事が物事を多角的に見て冷静に判断する
一助になれば
と思う

どっちの立場も理解した上で自分がどう思うか
それは世論に惑わされる必要はない


戦争は悪い、、、
そんなことはほとんどの人が思っている
でも人類が武器を作って以来
地球上から戦争が全くなくなった事はない

武力行使が前時代的手法という意見もあるけど
今にいたるまで
武器により人が一人も殺されなかった日は
1日たりともないだろう
それが日本に暮らしていると
見えなくなりがちな現実だ

因に、調べて行く上で
『昔っから王政(ヤツら)が
 気にくわなかったからだ』
とプーチンが言いそうな
特定の〝ある人物〟が浮かんだ
それがアメリカのバイデン大統領だ

この記事を書き上げるまでにも
世の中は動いている
状況は刻一刻と変わっている
『そうなるよな』ってこともあれば
『え?そうなるの??』と思う事もある
どこまでがプーチンの想定内なのか
落としどころはどこなのか

ただただ必要のない血が一滴でも多く流れずに
戦争がこの問題が解決する事を祈るばかりだ

追伸
もしロシア側からの
ウクライナ侵略を知りたければ以下を
参考にしてはいかがでしょうか?

これは2週間前のものである事はご留意を!

ロシアがウクライナ侵攻してからのものはこちら

最近、あまり好きでないので見なかった
中田のyoutube大学でも
ウクライナとロシアのことを
何本かあげている
わりとまともだったので
中田敦彦が大丈夫な方は
そちらの方が見やすいかもしれない