日常のそことここにある、ありふれた笑い。 #平成のマイ1冊
4月の初め頃、
"あなた"の超個人的な愛ある1冊を教えてください。
とyosh.ashさんがつぶやかれていました。
ということで、何度も読み返して何度も笑った一冊をご紹介したいと思います。
わたしは関東生まれで、幼少期は笑点を見て育ちました。関西に越してきてから数年はボケとツッコミの面白さがまったくわからずに馴染めずにいましたが、住めば都と申しましょうか、気がつけば日曜の昼に吉本新喜劇を見て爆笑し、深夜になれば漫才番組を見て爆笑していました。
笑いは日常の一部であり、オヤジギャグはこころの潤滑油だと信じて疑わないわたしの平成のマイ1冊がこちらです。
糸井重里監修『言いまつがい』です。
この本は糸井重里さん主宰の『ほぼ日刊イトイ新聞』の読者さんから言い間違いにまつわるエピソードを募集して、それらをまとめて書籍化したものです。
読み進めていると、言い間違いが笑いのツボを直撃してお腹がよじれそうになったり、体の内側をくすぐられるみたいな小さな笑いがいつまでも消えなくて思い出し笑いが止まらなくなります。
ジャンル分けは……何でしょう。ノンフィクションではないし、エッセイ集…?でもないでしょうし。
日常生活でうっかり言い間違えて恥ずかしい思いをした、というプレーンなエピソードを筆頭に、聞き間違えて会話が面白い方向に転がってしまったり、覚え間違えに気付かずに言い切った結果、周囲のひとを和ませてしまったり、叱られている時に言い間違えられて必死に笑いを堪えたりと、各種言い間違いが揃い踏みの一冊です。
この記事を書きながら『言いまつがい』を読み返していたら、知らぬ間に口元が綻んでいました。
意図せず口から転がり出た言い間違いに対する周囲の反応がいちいち面白くて、台本のない笑いの妙というか、練習のないぶっつけ本番の笑いだからこそにじみ出る人間臭さがあって大好きです。
ちょっとした言い間違いでことばの意味が全く変わって面白くなってしまうところも「興味深いなあ」としみじみ感じ入ります。
『言いまつがい』が好きすぎて、続編の『金の言いまつがい』と『銀の言いまつがい』も買い揃えてしまいました。さらには『オトナ語の謎。』も。
『オトナ語の謎。』は「オレ的にはアグリーできかねるんだよね」を筆頭に、社会人が使うことばの妙が詰まっており、こちらもお薦めです。
昔は本棚に収まらないくらい漫画やハードカバーの書籍を買っていましたが、随分手放しました。だけどこの本たちは、これからもずっと本棚に置いておいて、なごみたい時に読み返すと思います。
みなさまのマイベストはどんな本ですか? #平成のマイ1冊 は4月末日まで募集中です。
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