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こまごまとまとめ

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テキストやトーク、エッセイのような記事などを、あれこれとまとめ。
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#雑なひとの日記

雑な人の日記。20220827

窓際で温かいカフェオレを飲んでいる。 何か最近のできごとでも書いておこうかと思い立ち、椅子に腰掛けてスマートフォンの画面を眺めているのだけれど、さてなにを書こうかというところで、指先が止まっている。川面から突き出た石に引っかかって進めなくなっている笹舟はこういう気持ちなのかもしれない。 ただ、挙げればなにもなくはない。例えば、少し前に髪を短くした。髪が肩まで伸びると、周りの人からそろそろ切った方がいいねと言われる。短い髪が似合うというよりも、長い髪が似合わない。 曇りが

雑な人の日記。20220127

三本立ての夢を見て、この感覚だと二・三時間は寝たなと思いつつ、枕元のスマートフォンに手を伸ばしてみると、35分ほどしか経っていなかった。 そういう夜更けが時々ある。 日々、時間の隙間を縫うように眠る。早く夜が明ければいいのにと思う日もあれば、夜の中に少しでも長くいられればいいのにと思うときもあった。 タイムラインも動かなくなり、窓の外の空気が静まり返っている時間。例えば矢のようにして発した声が、まっすぐ向こう側へすうっと吸い込まれていくようなへ、真っ黒で、艶やかで、星も

雑な人の日記。20211225

世の中はXmasである。 我が家の玄関にも、爪先から足の付け根ほどの高さの小さめのツリーが飾られている。そして、 「キラキラしてていいじゃないか」 というよく分からない理由で、毎年、大晦日近くまで出しっぱなしになっている。結果、ささやかな正月飾りとクリスマスツリーが同居する面白空間が家の中に一瞬生まれる。 ちなみにHappy New Yearというのは、新年になった瞬間の挨拶らしい。日本でいうところの元旦に近いニュアンスなのかなと思う。 大晦日から新年に掛けては、日

雑な人の日記。20211214

ぽっかりと生まれたおやすみの日に、ひとり、珈琲を飲んでいる。店内にはenyaの曲が数分の間、流れていた。 珈琲の味には詳しくないものの、日々、好んで飲む。苦いか、花のような香りがするか、酸味があるかくらいで、チョコレートのような風味とメニューに書き添えられていても、それがカカオに近いのかどうかもよくわからない。 普段、友人や知人と連絡を取ること自体あまりないのだけれど、ここ最近、学生の頃の友達や会社でお世話になった先輩と、お茶をしながら話す機会が割とあった。 直接会って

雑な人の日記。20211111

昼も夜もウトウトしている。 私は夜な夜な中途覚醒するのだけれど、最初の寝付きは良い方で、布団にくるまって、電子レンジで暖めたゆたぽんを背中や腰に当てていると、そのうちに眠る。そうして、長くてもに2時間程で目を覚まし、その後は細かく数分から30分、時に一時間と、刻むように睡眠を取っている。 以前は、真夜中に布団から起き出して部屋でラクガキをしたり、娘の面白い台詞を漫画にしたためながら過ごしていた。暫くそういう事もしていない。 今までそうしていたように、一旦起き上がってしまえ

雑な人の日記。20211001

最近、満腹感がない。 元から空腹を感じにくい体質で、朝ご飯を食べてから日が傾き始めるまでの間、珈琲と白湯で動けたりもする。そうして、お腹が空いた気がするんだけどなんでだろう、と、素朴な疑問に思う程度に無頓着だ。 更にここの所、「これ以上食べると胃が疲れてしまうからごちそうさまにしておこう」という適切な量の目安を食事中に感じられなくなっていて、数時間後に胃が気持ち悪くなって、漸く食べ物を摂りすぎたらしいと気付く。今日の昼ご飯のちらし寿司も、茶碗一杯もなかったけれど私の胃にはち

雑な人の日記。20210919

曇りがちで風のあるいい日和だった。家中の部屋の窓を開け放つと、風がよく通って窓辺のカーテンが大きく膨らんで翻った。空気が動いて体に透明なものが柔らかに触れる。 そういう風通しのいい部屋が好きだ。 散歩の続きのように部屋を歩き回りながら、暫くの間、スマートフォンで文章を書いた。言葉の順番を入れ替えているうちに思い通りに並ばなくなって、指先が空を泳いだ。 一息吐いてスリープにして、ソファーへ寝転がった。そよ風がかすかに髪を撫でてゆく。風の通り道にいると、水に浮かんで漂う時みた

雑な人の日記。20210829

着る服のサイズと素材でよく悩む。 持ち物には無頓着なもので、服を毎年買い換えたりもしない。シャツや履き物のくたびれ具合と相談して、在庫を入れ替える感じで何年かに一度、まとめ買いをする。買う時は同じ型と素材の色違いを数枚、カートに放り込む。去年もユニクロの薄手のダウンベストを色違いで4枚買って着回している。使い勝手が良いものをなるべく長く使っていたい。 先日、シャツやスカートや靴や鞄やコートを買った。昨今の服はゆとりのある大きなサイズが流行りらしく、ネットショップで検索する

雑な人の日記。20210816

久しぶりにお墓を参ってきた。 曇り空の下、墓石の前で軽く手を合わせて、 「今から少しだけ掃除しますね」 と、独り言のように声を掛けた。枯れ葉を拾い、柄杓で水を流し掛けて、墓石を拭く。 艶々とした墓石の側面に刻まれた叔父の名と祖母の名を撫でているうちに、ふと顔が思い浮かんだ。元々あった墓石は朽ちて割れてしまうくらい旧くて、7つ程横並びに立っていたものを、祖母と叔父とで出資して立て直し、ひとつにまとめて魂を込めて貰った。 建てかえられたときは二人とも存命だったし、親戚一

雑な人の日記。20210630

ここ一ヶ月ばかり、淡々としている。どちらかといえば、いつも眠たい人のようにぼんやりしているとも言える。 以前から気になっていた調べ物を改めてしたり、絵を描いたり、昔に書いた文章を読み返したりして過ごしている。 あとは、長年着ていたダウンコートの裏地布がついに破れてしまって、お別れをしたりもした。 着ていると落ち着くよい上着だった。 ダウンとフェザーが入っていて、薄いのに暖かで、軽くて肩も凝らず、少しサイズに余裕があって、腕や体を締め付けることもなくて動きやすい。 春のそ

雑な人の日記。20210525

1ヶ月ほど前に髪を短くした。 切って貰った当日は、こけしのように丸く美しい輪郭線を描いていたヘアスタイルも、今や、適度に緩いパーマを掛けたように見えなくもないエアリー感を微妙に醸し出して、程よく整ったボサボサになっている。 更に1ヶ月も経てば、単に手入れの行き届いていないボサボサになることは、想像に難くない。 明らかに髪の量が減ったのに、まだなんとなく頭が重たくて、「そろそろ髪をバッサリ切りたいなあ」、などと未だに思う。ゆえに鏡に映る自分を見る度に、 「あれ、髪、すでに

雑な人の日記。20210521

真夜中とも明け方ともいえる微妙な時間にこうして書いているので、一見、夜通し起きている風ですが、日付が変わる前には羽毛布団をかぶっています。そうして、細切れに目を覚ましたり、ウトウトしたり、寝付けないときはソファーや揺り椅子に座って、ぬくいお湯を飲んで過ごしています。 ここの所、朝も夜も眠たいままです。水曜日の昼下がりは気怠くて、床に転がって微睡んでいました。昔から気圧の変化に準じて、冬から夏に掛けて、体調が不安定になります。そうして、この体とも随分つきあいが長く、不安定な時