見出し画像

48.ニーズを鵜吞みにしてはいけない

先日新規事業(コンサル)を他社に営業するにあたっての相談を受けていました。詳しくは言えませんがコンサルの内容はWebマーケ、営業先は工場で、現在営業活動は難航中とのことです。その原因は様々あるようなのですが、大きな問題としては先方の重役クラスがWebマーケにピンと来ておらず、社長もなかなか首を縦に振らないという話でした。

ニーズがある(ニーズがあるとは言っていない)

しかし、彼曰く「社長は今後B to Cにも力を入れていくと言っている」そうで、なぜ話が進まないのかと頭を悩ませていました。そこでピンと来たのが、「これは、必要だと思いつつも、実は(すぐには)やる気がない事象ではないか」ということでした。つまり、”時代の流れ的にも今後必要だとは思っているが、至急必要というわけではなく、そもそも実はよくわからない状態”である可能性が高いなと思いました。

もちろん経営者としては会社を前に進めることが使命ですから、この時代に「うちはWeb関係に力を入れるつもりは全くない」とは言えませんので、言葉としては「これからはうちもWebに力を入れていき、新規顧客を開拓する」と発言しています。これ、私は勝手に”ニーズあるある詐欺”と呼んでいるのですが、その言葉を鵜呑みにしてWeb商材を進めても、潜在的なニーズが実はそこにはないということが起きてしまうわけです。要は、痩せたいと言っているがジムを勧めても行かないという感じです。

人はわかるものしか買わない

その状態の社長に営業をかける場合、まずはニーズ自体を呼び覚ます必要があります。全くないわけではないが、優先順位が高くないものに人はコスト(お金と時間)を払おうとは思いません。ですのでまずはこの優先度を上げてあげる必要があります。その中で私が重要だと思うのは、”成功体験”です。

つまり、まずはできるイメージを持たせることが重要だというのが私の考えです。そもそも世代的にもWebやSNSにピンと来ていないわけで、「継続的に発信することが重要だ」と説いても、「うちの何を発信するのか」、「数発なら発信できる素材はあるが、継続的に出し続ける弾はない(考えつかない)」、「誰をターゲットに発信すれば、どのような経済効果があるのか全くイメージできない」といったような感情、疑問が生まれると思います。だからまずは、例えば新商品開発やコンテンツの発掘など、”弾づくり”をし、それが企業内でも自発的に生まれるように持っていき、その後ウェブ上に発信していき反応を感じていくというプロセスを踏む必要があります。社長や組織にとって、考えているけど見えない状態になっているニーズを、まずは可視化してあげることがニーズ喚起に必要な条件であると考えています。

ニーズはあるが知識不足でもちぐはぐは発生する

ちなみに、本気でニーズはあるのだが本人が考える方法論が方向違いになっており、その人の真のニーズに対し最適な方法を自分が持っていても、ピンと来てくれないことがあります。これは本人の知識不足、妙なこだわりなどが原因でこのような時も営業をする方にすれば戸惑うことがあると思います。ひとえに、今日の画像のスズメような状態です。この子は先日ウチの事務所に間違って入ってきてしまい、出ていきたいがずっとガラスに向かって飛ぼうとしているという感じでした。隣でドアは空いているのに、本人はガラスにしか向かっていきません。要はこんな状態です。

長々と書きましたが、要は”求めている人に求めているものを提供する”という営業のみならず社会生活を送るうえで最も重要な価値観があります。このうち”求めている人に”という部分は「本当に求めているか(行動レベルでやる気があるのか)」、改めて注意しないと非常にちぐはぐが起こることがあります、という話でした。今日の話も何かのお役に立てば幸いです。

いいなと思ったら応援しよう!